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第七章・18
「うッ……」
思わず口を衝いて出た弦の小さな声に、千尋は生唾を飲んだ。
顔を胸からすいと下げて、勃ち上がり始めた弦の分身を口に含んで吸った。
根元を指で掴んで表皮を引きながら、口に咥えて抜き挿しする。
唾液がどんどん湧いて出て、滑らかに性器を出し入れできるようになった頃には、じゅる、じゅぷと濡れた音が立つようになっていた。
「いやらしい音だ」
「ふふ。気持ち、い? 先輩」
「あぁ、最高だ」
嬉しい、と千尋は上下の唇で弦を締め付けた。
さらに咥内で力強さを増してゆく弦。
口を滑らせながら唇で圧迫し、舌で先端を舐めまわす。
手は口とは逆方向に擦ってくるので、表皮が引かれてさらに快感が増す。
沸き立ってくる射精感を覚えながら、弦は千尋の頭に手を乗せた。
「巧くなったな、千尋」
「誰のせいでしょう?」
咥内に、苦味が走った。
弦が、体液を漏らしたのだ。
この味にも、もう慣れた。
だが、他の誰かの味を試してみる気は、到底起こらない。
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