199 / 239

第七章・22

 くちゅりぐちゅりと音を立てながら抜き挿しする弦の腕に、千尋の手が伸びてきた。 「先輩、早く……もう……ッ」 「まだだ」  弦の指先は、千尋の体内の一番敏感な部分に触れることなく動いている。  あぁ、そこに。  あそこに当たると、すごくすごく気持ちがいいのに。 「先輩ッ」  指三本で瞬を責め立てながらも、触れてきてはくれない。  腰を浮かせて、千尋が自ら弦の指にそこを擦りつけようとしても、そのたびに逃げてしまう。  快感の波が寄せて寄せて、もう一息で絶頂に達するのにイカせてもらえない。

ともだちにシェアしよう!