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第七章・24

「あっ、あッ、やぁ! 先輩、ちょっと待っ……」 「欲しいんだろう? 俺が。存分にくれてやる」 「んあぁ! はッ、はぁ、あぁッ!」  どろり、とまた自分が吐き出した気配がした。  いやらしい僕の体。  イッたのに、まだ欲しい。  もっともっと、先輩が欲しい。  シーツを握りしめ、迫りくる快感に耐えていた千尋の手に、温かな感触が。    手が。  弦の手が 、添えられてきたのだ。  千尋は慌ただしくその手を掴むと、指を絡ませ力任せに爪を立てた。 「あぁっ! 先輩、先輩ッ! あぁあ!」  被さってくる弦は、千尋の眼には涙でにじんで見える。  体内で、弦がはちきれんばかりに脈打っている。

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