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第八章・2

「異議あり!」  そこに、挙手と共に鋭い一声が上がった。  委員長は不意を突かれ驚いた様子だったが、すぐに気を取り直して手を挙げた生徒を指名した。 「坂井さん、何か意見がありますか?」 「メイド喫茶に付け加えて、執事喫茶も出すべきだと思います!」  何ィ!? とクラス全員の男子がざわめいた。  執事!  詳しいことは解からないが、女子たちの間で執事と称したいろんなタイプの美少年や美青年と疑似恋愛を楽しむ『乙女ゲーム』というものが流行っている事は知っている。  人気マンガやアニメにもイケメン執事が登場し、お嬢様に尽くしているのだ。 「いつもいつも女子だけが男子に萌えを供給するのは、不平等だと思います! 男子も女子に、萌えを提供すべきです!」

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