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第七章・13

(弦先輩……、すごい! カッコイイよ、先輩!)  千尋の視線と、ぱあっと晴れた笑顔に、坂井はほくそえんだ。 (フッ。初めて見る先輩の姿にときめきを覚えてしまう後輩……。いいわ! 禁断の腐臭が芳しいわ~ッ!)  さあさあ、河島クンは特別に海江田執事にフットマンになってもらおうね♪ と、坂井にぐいぐい押され、千尋は弦の元へやってきた。 「えと、あの、その……」  来てみたはいいが、変わり果てた弦の姿にどう対応していいかわからない。  千尋がしどろもどろしていると、弦は優しく微笑み、こう言ってきた。 「普段の練習どおりでいいか? 千尋」 「え、あ、はい」 「では……、お帰りなさいませ、ご主人様」

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