231 / 239

第七章・26

 耳に首筋、肩に胸と、体中に歯を立て、その無骨な手のひらで肌を擦る。  乱暴にはするまい。  だが、激しくと言ったな、千尋。 「あぁッ!」  さんざん指腹で擦り上げて尖らせた千尋の乳首を、弦は強く吸った。  音をたて、たっぷりと唾液で濡らし、周囲の肉まで絡めて噛んだ。 「あッ、あッ、先輩ッ!」  胸を責め立てながら、片手は性器に伸ばす。  すでに硬くなりつつある千尋のそこは、手を添えて扱いてやると瞬く間に反り立った。    はぁはぁと息を荒げながら、千尋も弦のものに手を伸ばす。  互いに愛しいそこに愛撫をしながら、どんどん熱くなってゆく。 「ぬるぬるだな」 「馬鹿ぁ……」  それでもやはり、弦の方に余裕があるのだ。  身を震わせ、腰を淫靡に揺らし始めるのは、決まって千尋の方が先だった。  そろそろかな、と弦はローションを準備し、手に取った。

ともだちにシェアしよう!