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第七章・29

「動くぞ」  そう一言声をかけ、細かくリズミカルに腰を入れ始めた。  向き合う、千尋の表情を確かめる。  眼をうっすらと閉じ、眉根を寄せているその表情。  一見苦しそうに見えるが、半開きにした唇が悦楽を伝えてくる。  漏れ出す喘ぎが、快感を訴えてくる。 「あぁ……、先輩……。もっと……、もっと奥まで……」  そんなおねだりまで、寄越してくる。 「かしこまりました、ご主人様」 「イヤッ! あ! んッあぁ!」  これまでとは変わって、弦の腰が大きくストライドを始めた。  速くはないが、じっくり奥まで突いてくるその動き。  内に抉り込まれるたび、千尋は仰け反って歓喜の声を上げた。  硬い先端が、柔らかな千尋の体内をゴリゴリ責めてくる。  時折その最も敏感な部分に当たると、眼の眩むような快感が体を電流のように走る。

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