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第七章・31

「お口に合いましたでしょうか、ご主人様?」 「んぅ……」  満足そうな顔をして。  さらり、と弦は千尋の髪を撫で、離れようと身じろいだ。 「待って、先輩。まだ……抜かないで」  腕を伸ばし、抱きしめて欲しいとねだってくる。  請われるまま弦は千尋に被さり、その細い体を腕に抱いた。  そうしてしばらく髪を、肌を撫でてやった。

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