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第9話 流生は超元気

流生はモテる この年で女の子のハートを掴んで離さなかった 「りゅーちゃ!」 女の子達は流生に近付こうと名前を呼んで側に行こうとする 流生は「みすず先生」の方へ行くとみすず先生の手を掴んだ 「みちゅじゅてんてぃ!」 「あら流生君 どうしたの?」 流生はニコッと笑って女を遠ざけた みすず先生は……この年で女のあしらい方が完璧だなんて……先が怖かった 音弥の側に女が近付こうとすると、流生は走って行って音弥の横に立った 「おとたん きょわくにゃい!」 「………りゅーちゃ きょわい……」 と女の子のパワーに音弥はすっかり恐怖だった 流生は女の子達を蹴散らす為にスカートを捲った 女の子達は「キャー!」と言いつつ うし!今日は可愛い下着だったわ!とスカートの中身を思い出していた 流生に構って欲しくて音弥に近付く子達が多かった 流生の組に翔が来ると…… 女の子達は……離れた 近付けない あすかいかけるクンは近寄りがたい雰囲気を醸し出していたから…… 女の子達も容易には近付けなかった 「りゅーちゃ おとたん 」 翔が名前を呼ぶと流生は嬉しそうに翔を抱き締めた 音弥も翔の手を握った 「きゃにゃ ちとり ゆくによ!」 そう言い桃組に向かう 大空は太陽と一緒にいたが兄弟が来てくれて嬉しそうだった 「きゃにゃ 」 翔が呼ぶと大空はニコッと笑った 大空の周りに兄弟が集うと、女の子達は遠巻きにその光景を見ていた 近付きたい…… でも………近付けない…… 流生は一人だと話しやすいのに…… 兄弟でいると兄弟しか見ないから、話しかけにくい 遠巻きに見てる女の子達は…… バラバラになるのを待っていた 星組 みすず先生 桃組 まつり先生 花組 たえこ先生 三人の先生達は五人の子供達を見守っていた 先生達で幾度も話し合った 主任の美代子先生にも幾度も話しを聞いてもらった 五人の子達が、笑っていられる環境を作ろう そう決めて見守ることにした 新学期は始まったばかりだ! この先どう変化していくかは解らない でも日々の生活の中で仲間を作ることを覚えて欲しいと想っていた あすかいりゅうせいクン 彼は兄弟の中で一番のムードメーカーだ 常に兄弟の中心に彼はいた 美代子先生曰く 『彼は康太君の子供だからね…… 元気過ぎるから怪我だけ気をつけてやってね スカート捲りや胸を揉む……程度で驚いてたら…… 本当にやって行けないからね!』 との助言は貰っているが…… 本当に元気すぎて…… 保母は大変だった 次の瞬間には……何処にいるか把握は結構大変な…… お子さんだった そのやんちゃな子が、お迎えに父さんと母さんを見付けると瞳を輝かせて走って行く 「とぅちゃ!かぁちゃ!」 そう言い走って行く姿は…… どの子より子供らしかった 康太は流生を抱き上げた 「良い子にしてたか?」 康太に聞かれて流生は、うんうん!と頷いた みすず先生は嘘つけ!と思ったが口にはしなかった 康太が「よしよし!良い子だ」と頬に口吻ける 流生は母親を一足先に来て独り占めする 一足遅れて音弥が康太に飛び付いた 「かぁちゃ!」 康太は流生を下ろして音弥を抱き上げた 「良い子にしてたか?」 「おとたん じゅっちょいいきょ!」 「うしうし!良い子だ」 キス落とし抱き締めて下ろす 太陽と大空も康太に抱き着いた 「………大空、組に慣れたか?」 大空は一人だったから余計に心配になる 「らいじょうび!みんにゃきちぇくれる」 「そうか、良かったな!」 大空の頭を撫でて太陽に声をかけた 「太陽は良い子だっか?」 「ちなはいちゅもいいきょ!」 ませた口を聞くようになった 康太は笑って「そうだな!」と口吻けた そして兄弟の影にいる翔を抱き上げた 「翔、今日も兄弟の為に動いていたのか?」 康太は誰よりも犠牲になってる翔を視ると可哀想になる 「ちょれ あたりみゃえらから!」 「オレは……翔に犠牲になれなんて言ってねぇぞ?」 「きょうらいは、きょうろくちあうにょ!」 「………そっか……でも翔は少し我が儘言ってもいい…」 「にゃら、らっこちて!」 翔は康太に抱き着いた 「うし!帰るぞ!」 康太は翔を抱っこしたまま歩き出した 兄弟は翔が我慢してるのを知っているから何も言わない 保母達は、そんな仲の良い親子を送り出した 送り出す時、必ず美代子先生が影で見送っていた 教え子が何時だって幸せなら、それだけで美代子先生は嬉しかったから…… 仲の良い親子は…… お迎えに来た父兄の視線を集めて、帰って行った

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