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第18話 お遊戯

絶対音感を持つ音弥は妥協という言葉を知らない子供だった 兄弟に対しては多少は妥協する だが他の子には妥協なんてしてやるか! 結構 厳しい鬼だった 暇があれば家でも兄弟にお遊戯を教えていた 繊細な事が苦手な不器用な男……飛鳥井 翔 彼はお遊戯が苦手だった 「らめ!かけゆ じぇんじぇんなっちぇにゃい!」 言われて落ち込む 和希は音弥を止めた 「音弥、そんな事を言っちゃ駄目だよ」 「かじゅき……」 「言葉は一人傷つける武器と一緒だよ」 和希は音弥にそう言った 和真は和希を止めた 「音弥 誰もお前みたいな絶対音感なんてないんだぞ?」 和真は人との違いを教えた 「僕は音楽は……2だ……あんまり成績が良い方じゃない……」 「きゃじゅま にがちぇ?」 「苦手と言うか眠くなるからな眠気との戦いレベルだよ」 「………おとたん……わりゅいきょ?」 和真は音弥の頭を撫でた 「違うよ!でもね解らない子は本当に解らないんだよ ペースってのもあるんだ 音弥は凄く解るけどね、解らない子もいるんだよ 僕と和希は双子だけど一緒じゃないってのと同じだよ」 「……わかっちゃ……きめちゅけは……よきゅにゃきゃった…」 「だね。解る音弥は良い子だよ 直せる素直さは僕も見習わなきゃ」 和馬が言うと北斗は笑っていた 北斗は何か言う事はない 何時も穏やかで優しい 北斗は「音弥は優しい子だね」と優しく頭を撫でた 「僕たちも手伝うからお遊戯、やろうよ!」 「あい!」 音弥は和希、和真、北斗に手伝って貰ってお遊戯をマスターした 覚えれば誰よりも上手に踊れるのは血筋だった 完璧に踊れる様になった飛鳥井の子達は…… 目立った 下手したら先生よりも上手い たえこ先生は「音弥君 前に出て見本見せてあげて」と声をかける程だった だが音弥は辞退した 「みんにゃ ちょれじょれらから、おちちゅけるにょはらめなんらよ!」 皆それぞれだから、押しつけるのは駄目なんだよ……と言われ…… たえこ先生は言葉をなくした 「へたれもいいんらって! できりゅかぎりやりゅにょぎゃ べちゅと!」 ……勝てる気しない まつり先生もたえこ先生もみすず先生も…… 脱帽だった 音弥達は解らない子に教えてやったりと、生徒たちの中心いる存在なのは間違いはなかった…… 「おとたん きゃっきょいい!」 そう言うのは中途入園の野坂小次郎君だった 彼は中途入園なのに、飛鳥井の子達と仲良くしていた 中途入園のギャップを感じさせず……馴染んでいた 「こじ、ぎゃんびゃろーね!」 「あい!」 小次郎の首に腕を回すのは流生だった 翔も太陽も大空も小次郎と仲良しだった 幼稚舎入園の初の運動会は一週間後に迫っていた

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