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第14話

 まだ乾ききっていない身体をベッドが受け止めている。  二人分の重さに軋む音がした。  神野の手が豊島くんのペニスを握る。彼の乱れる様子を目に焼き付けながらそれを擦りはじめた。 「あ、…んん、い…い………」  豊島くんの頭の中は沸騰寸前だ。  気持ちいい。  他人の手にされるのはなんでこんなに気持ちいいんだろう。  他人?  ううん違う。誰でもいい訳じゃない。神野さんの手だからだ。だからこんなに気持ちいいんだ。  もっと無茶苦茶してもかまわない。  神野さんにならいい。  神野さんを感じたい。  彼は無意識のうちに股間を突き出し、自分自身を神野の手に積極的に押し付けていた。 「するの今日で二度目なのにこんなに反応して……豊島くんは恥ずかしい子だね」  ちょっと冷たい口調でたしなめる薄い唇を見つめて、ふいに彼は涙をにじませる。  淫らになってしまったのが怖くて恥ずかしい。  神野の手で自分は変えられてしまう。 「っ………く。でも、でも俺……あっ、きっと、き…と、神野さんだから……、俺、こんなになっ…ちゃ…う……」 「豊島くん……」  小さく『ごめんなさい』と伝えて豊島くんは目を瞑った。  謝る声も顔もいじましくて、神野は困ってしまって必死に謝る。 「弱ったな。ごめんね。そんな顔しないでおくれ………。君があんまりかわいいから……。本当にごめんね」  囁いて、唇でそっと彼の目尻の涙を吸った。 「ありがとう。私の気持ちに応えてくれて。感謝しているよ」  そして頭の位置を下げると豊島くんの太ももの内側にキスをした。そのままなめらかにくちびるを滑らせていく。やがて鼠径部にまで大胆なそれは達した。 「神野さんっ」  腕で足を拘束され尻肉をもう一方の手でもまれる。さらに深くへ顔がもぐって来て、神野の意図を察した。 「フェラチオ、してあげようか」  直接的な台詞を耳にして豊島くんの頭は爆発した。 「!! いいです、そんな。神野さんはそんなこと……」  神々しいスイーツの神様の舌で自分のものを舐められるなんて。  そんな罰当たりなこと許されない。  しかし神野は飄々としている。 「遠慮しないでいいよ。それに気持ちいいと思うけど」 「だめだめだめ。口はいやだ。もう俺、死んじゃいそう……」 「それは困ったな。どうしようか」 「……手で」 「ん」 「手がいい。神野さんの手で、して」 「『して』だなんて、君は私を悩殺する気なのかい」  全く……とため息をひとつついて、身を起こした。 「悩殺なんてそんな」 とんでもない解釈だと、首を振って無駄な抵抗をする。 「仕方ない。今は手でしてあげる。ただし次の時は口でね」  結局するんじゃないかと目を白黒させる彼に、ふふっと意味深に笑った。 「前に言ったよね。少しずつステップアップして行こうって」  神野の手が彼の尻に伸びた。するりと撫でられる。 「今日はこっちを舌で愛してあげるよ」  両足をぐいと持ち上げられて膝を折られる。M字になった足の付け根や太ももの裏側をいやらしい舌がたどった。  再びの愛撫は際どいところを愛して来る。  もうなにをされるのかは明らかだった。 「そんなことしないで……」  声が震える。  神野の舌が彼の秘所を探ってくる。 「汚いですっ」  焦って身をよじる彼のアナルをとがらせた舌先で神野はぬるりと愛した。 「汚くないよ。さっきちゃんと洗ったでしょ」  その為に先に風呂に入ったのだ。  舌が、ねっとりと入口の肉をほぐして来た。  挿入のための準備だ。  神野の思惑でありマナーである施しは、豊島くんを狼狽させる。  フェラチオより恥ずかしぃじゃないか。 「もう、やだっ。やだ、やだ、やだ」  悲鳴をあげ、駄々っ子のように身体をばたつかせる。神野は足を押さえていた手を外し身を起こした。  彼の足の間に身体を滑り込ませ交合の体勢を取る。 「一緒にイこう」  魔性の囁き。 「あ……あ、ああ…ぁ」  たっぷり濡らしたおかげか、対して苦も無く豊島くんの身体は神野を受け入れて行く。  全て納めきってから神野は、手でして欲しいと言った彼の希望を叶えるべく、約束通りペニスを手で握った。適度な力で何度も擦る。 「イく……、イっちゃうぅぅ」  うめき声を上げて豊島くんは達した。熱い飛沫が放出される。 「くうっ。……中がしまって、気持ちいい…よ……うう」  彼の尻はきつくすぼまって神野を放さない。  そのまま忙しない律動が開始された。 「ああぁ……、あっ、あっ、ああっ、……あ…ああ」  突き上げられる度、苦し気で断片的な声が漏れる。 「大丈夫?……うっ、……もう少し、我慢してね」  あくまでも優しく紳士的な神野もこの状況では声がうわずっていた。 「凄くいい……いいよ。豊島くん……君の身体は…なんて、なんて…、気持ちがいいんだ……」  後の言葉は掻き消えて、もう意味をなさない息になる。 「はっ、は…ぁっ……」 「神野さ…ん……」 「くっ」  敏感になっている彼の腸内を熱情を込めた精液がたっぷりと満たす。  そして神野の身体は前に倒れ込むと豊島くんの胸にどさりと重なったのだ。

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