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( 7) いつも見る夢
オレは夢を見ている。
いつも見る夢。
そう、中学生の時のあのセックスを試したあの日から、たびたび見る。
同じ夢……。
オレは、裸でベッドに仰向けになっている。
そこへ、誰かが現れて、オレの両足首をつかむとグイっと広げるのだ。
オレは、やめろ、とか、何するんだ、とかいうけど、その誰かは言うことを聞こうとしない。
あらわになる、オレのペニスとアナル。
その誰かは、オレのペニスを無造作に握ると激しくしごきだす。
オレは、やめてほしくて暴れるのだけど、体に力が入らない。
そして、いきそうなると、意地悪をするように止めるのだ。
いかせてくれ……たのむ……。
そんな言葉を吐きながらお願いするのだけど、その誰かは続きをしてはくれない。
オレは我慢できずに、お願いします、どうか、お願いします、と懇願し続けると、その誰かは、決まってオレのアナルに指を入れてくるのだ。
ああ、だめだ……そうじゃない……アナルじゃなくて……。
オレの願いは聞き届けられず、アナルの中をぐりぐりとまさぐられる。
そして、オレは次第に気持ちよくなってきて、体の芯が熱くなってくる。
そうなると、もう止まらない。
痙攣をおこした体は、ほしくて、ほしくてしょうが無くなる。
そう、あれを……。
オレは、うわごとのようにその誰かに問いかける。
おっきくて固いペニス……入れてください……。
そうなのだ。
ビデオの女優がそう言っていたように、オレは、その誰かにお願いする。
すると、指が抜かれ、代わりにその固く熱いものが、アナルに入ってくる。
あっ……それ。それです……ありがとうございます……。
それは、滑るように奥の方まで入っていく。
そうすると、不思議とオレのペニスもぐぐぐとおっきくなるのだ。
その誰かのピストン運動によって、オレのアナルの中の気持ちのいいところは徹底的に攻められ、オレは快楽への階段を上っていく。
ああ、お前は誰なんだ?
オレをこんなにも気持ちよくしてくれる。そんな、お前は……。
やっぱり、ヒナタ、お前なのか?
あっ、あっ、ダメ……気持ちいい……。
ヒナタ、ヒナタっ………。
オレは、耐えて耐えて、でも、限界点を超えてしまう。
そして、断末魔のような叫び声を上げて爆発するように果ててしまう。
快楽に身を震わせる……。
放心状態の中で、何か温かく幸せなもので体中が満たされていく。
だいたい、ここで目が覚めるのだ。
目が覚めて起き上がると、体中が汗でぬれている。
はぁ、はぁ、と荒くなった息を整えながら回想する。
やっぱり、ヒナタ。
お前なんだよな?
ああ、ヒナタ。
お前は、夢の中では、あんなにも立派に勃つんだ。
熱く、固く……あのビデオの男優のように。
くっ、畜生……。
オレは、ないものねだりをしているんだ。
きっと、ヒナタだって、オレのが立派に勃てば、って思っているに違いない。
すまない……ヒナタ。
オレは、天井を仰ぎ見る。
ああ、そうすれば、蓮なんか他の奴なんかに目が行くことはなかっただろうに……。
オレは、悔し涙を拭うのだった。
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