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(15) ホワイトデー

ホワイトデーがやってきた。 オレは、バレンタインのお返しだと言う事で、蓮との仲を気使うヒナタを何とか説得しようとしていた。 「だって、ボクはいいよ。航太は、蓮君と一緒に過ごしなよ」 「ヒナタ! お前のチョコのおかげなんだ。頼むよ。蓮と会うのは夜だから、久しぶりに二人で。どうだ?」 ヒナタは、なかなか踏ん切りがつかない様子。 しばらく、考え込んでいたヒナタは、「どうしよっかな……」っと何度も呪文のように唱えた。 ヒナタは、言った。 「二人っきり?」 「ああ、昔みたいに……キスしようぜ」 「……キス? キスね」 「そうだ。キスだ」 どうだ? ヒナタだってキスしたいだろ? オレは、ヒナタの回答をじっと待った。 「じゃあ、いこっかな……」 よし! オレは、「そうこなくっちゃ!」っと指を鳴らした。 ヒナタを連れて家にやってきた。 玄関で靴を脱ぎ部屋に入る。 ヒナタは、部屋をぐるりと見回した。 「ああ、久しぶり! 航太の家」 「そうだろ?」 オレの家にヒナタがいる。 オレは、嬉しくて目頭が熱くなった。 モノトーンだったオレの家が、再び色を取り戻した。 息を吹き返した。 そんな風に感じられた。 オレは、さっそく冷蔵庫から白い箱を取り出して、ヒナタの前に差し出す。 「じゃん! どうだ?」 「もしかしてケーキ?」 「うん。ヒナタ好きだろ? ショートケーキ?」 「大好き! ありがとう航太!」 ヒナタは、オレに飛びつく。 オレは、ひしっとヒナタの体を受け止めた。 ああ、久しぶりのヒナタの体の感触。 柔らくて、小さい。 ギュッとすると、つぶれてしまいそう。 こんなに小さかったんだな……ヒナタ。 体を離したヒナタは、オレの顔をじっと見ると、昔と同じようににっこりと笑った。 オレは、堪らず、唇を重ねた。 「んっ、んっ……ぷはっ!」 ああ、ヒナタの唇の感触……。 「航太とキスっ……ああ、久しぶり……」 「だな」 ヒナタも喜んでいる。 ふふふ。 そうだよな。 オレとヒナタのキスは、挨拶のようなものだったんだから……。 それから、オレとヒナタは、濃厚なキスを思う存分楽しんだ。 お陰で、ここのところのオレとヒナタのよそよそしい雰囲気は、一気に消えて無くなった。 オレとヒナタは指を絡めて手を繋いだ。 やっぱり、落ち着く。 ヒナタの小さくあったかい手。 ヒナタは、その手に力を入れると、オレの目をじっと見つめて言った。 「ねぇ、航太。正直に言って」 「なんだ?」 「もしかして、蓮君と喧嘩した?」 「へっ? 蓮と喧嘩?」 ヒナタは、心配そうにオレを見る。 そっか……。 ヒナタの奴、また気を回してそんな事を考えているのか。 オレは、手を横に振り全力で否定する。 「ははは。ないない」 「じゃあ、どうして……ボクなんかと」 「それは、俺が説明しよう」 キッチンから蓮が姿を現した。 「どっ、どうして蓮君が!?」 ヒナタは、驚いてオレの後ろの隠れた。 「バッ、バカ! 蓮。出てくるの早いよ!」 「ははは。お前たちのキス見てたらさ、もう我慢できなくてよ」 蓮は頭に手を置き、ペロっと舌をだした。 オレは、ため息をつくと、後ろに隠れるヒナタに頭を下げた。 「ごめん。ヒナタ……騙してしまって……」 拳を握りしめ、わなわなと震えるヒナタ。 驚き? 戸惑い? 怒り? そんなどれとも付かない感情がせめぎ合っているようだ。 それはそうだろう……。 蓮も、ヒナタのこのような猛烈な拒絶反応は意外だったのだろう。 申し訳なさそうに、弁解した。 「水野、悪かった。お前が、俺をなんとなく避けているのは知ってる。でも、俺からも礼を言わせてほしい。お前が、航太との仲を取り持ってくれたわけだから……」 ヒナタも子供じゃない。 蓮の言葉の中に、誠意を感じとったのだろう。 一方的に毛ぎらうのも、おとな気ない。 そう思ったのか、 「いいよ。蓮君。ちょっと、驚いただけだから。だって、悪気はないんでしょ?」 と言った。 「もちろん!」 蓮がそう答えると、ヒナタは「じゃあ、ボクは、これで帰るね」と言った。 オレは、蓮に目配せをする。 蓮は、オレにウインクして返すと、ヒナタに声を掛けた。 「なぁ、水野。お前も一緒にどうだ?」 「どうって……何を?」 「一緒に、セックスしないか?」 「せっ、セックス……そっ、そんな事、ボクはしないよ!」 ヒナタは、怒った口調ですくっと立ち上がった。 「ボク、帰る!」 「待てよ、ヒナタ!」 オレは、慌ててヒナタの手首を掴んだ。 ヒナタが、「痛い、離して……」という言葉を無視して、オレは言葉を続けた。 「なぁ、ヒナタ。オレやっぱり、お前が一緒じゃなきゃだめなんだ。お前を一人にさせておけない」 「だからって、ボクなんか……同情しないでよ」 ヒナタは、目をギュッと閉じて、首を横に大振りする。 オレは、ヒナタを落ち着かせるようと、軽く抱きしめた。 「同情か……ちょっと違うな。お前はもうオレの半身なんだ。だから、お前と一緒じゃなきゃ、半分空っぽなんだよ」 「そうだとしても、ボクは、やっぱり蓮君とは……」 オレの胸の中で小さくつぶやくヒナタ。 蓮が口を挟む。 「大丈夫だ、水野。ちゃんと考えてあるからさ。なぁ、航太」 「ああ」 「一体何を?」 オレと蓮は、ヒナタが見守る中、いつものようにセックスを始めた。 当初、ヒナタは嫌がると思ったが、 「航太のエッチ!? 見たい、見たい!」 と意外にも興味を見せた。 それで、ゆっさ、ゆっさと揺れるオレ達のセックスに熱い視線を送っているのだ。 体位は、いわゆる、背面座位。 脚を伸ばして座る蓮の上に、オレは後ろ向きに座り、アナルの奥までペニスを食い込ませる。 蓮の激しい突き上げで、蓮の太くて固いペニスはアナルの気持ちいい部分をこすり続ける。 ただでさえ、蓮とのセックスは気持ちがいいのに、今日はヒナタに見られている。 そう思うと、猛烈に恥ずかしい。 なのに、なぜだ? いつもより感じる……やばい……最高に気持ちいい。 ヒナタは、興奮気味に言った。 「すっ、すごい。航太、エッチな顔しているよ」 「あっ、あっ、あまりオレの顔見るなよ。恥ずかしい……あっ、あっ」 オレは、快感に悶えながら答える。 蓮は、腰をぐりぐりと回して、オレの首筋や肩に舌を這わせる。 「くぅ、気持ちいい……ほら、水野。見てみろよ、航太のチンチン。固くなってんだろ?」 蓮は、後ろから回した手でオレのペニスの根元握ると、上下に揺すってアピールする。 「本当だ。こんなの初めて。ねぇ、航太。こんなになるほど気持ちいいの?」 「あっ、あん、うるせぇ……」 ヒナタは、間近でオレのペニスを観察した後、オレの顔を覗き見た。 「ほら、航太。ちゃんと答えてやれよ。気持ちいいって。じゃないと、抜いちゃうぞ」 蓮の奴め! でも、気持ち良くて、気持ち良くて、堪らない。 恥じらいも何も、この気持ち良さには抗えない。 「くぅ、くそ……蓮、ああ、気持ちいいよ! 最高だ……」 「よしよし。ははは」 蓮は満足気に笑うと、頃合いと判断してヒナタに指示を出した。 「ほら、水野。そこにうつ伏せで足を広げろよ」 「こう?」 ヒナタは、四つん這いになり、お尻を向ける。 ああ、ヒナタのアナルが丸見えだ。 そして、ぷらっと垂れさがるヒナタの可愛らしいペニス……。 蓮は、オレを抱えたままヒナタに近づくと、オレのペニスの先をつまんでヒナタのアナルに合わようとする。 「もっと、お尻を上げて。そうだ、航太のチンチンが入りやすいように」 「うん」 ヒナタが後ずさり、ちょうどヒナタのアナルに触れた。 瞬間、ヒナタは「あんっ……」と可愛い喘ぎ声を上げた。 「さぁ、航太。これなら、入るだろ? お前のが水野の中に」 「きて、航太……」 中学の時、あきらめていたヒナタとのセックス。 ついに、ヒナタと繋がれるんだ……。 オレを真ん中にして、三人繋がった。 オレのペニスは、これでもかというほどカチカチに固くなり、ヒナタのアナルの中をかき回す。 蓮の突き上げで、オレがよがり、そしてヒナタが同時によがる。 ヒナタと一緒に気持ちよくなるんだ。 ヒナタは、腰を振りながら言った。 「あん、あん、航太。ボク、航太とつながっているんだよね?」 「はぁ、はぁ。そうだぞ。ヒナタ。オレのチンチンどうだ?」 「あっ、あぁん。すごい、固い。固いよ、航太のチンチン……あっ……」 オレは、ヒナタの喘ぎ声に満足しながらも、蓮の突き上げに辛うじて耐える。 それにしても、ヒナタのアナルは、きつくて気持ちがいい。 あの、一つのコンドームでチンチン合わせをした、あの圧迫感に似ている。 蓮のピストン運動でお尻の方が刺激される度に、ペニスの先からは、ドクドクっと汁のようなものが出てしまっている。 それが証拠に、ペニスの先っちょはとても熱く、ヒナタの気持ちのいい部分に触れる度に、ぴちゃ、ぴちゃと、いやらしい音を立てる。 「どうだ、二人とも。ほらっ! もっと、突っ込むぞ! それっ! それっ!」 蓮の腰の振りが激しさを増す。 蓮の奴も、いつもより興奮している?……いや、絶対に興奮している。 蓮のでかペニスは、さらに太く、固く、たくましく感じる。 オレの下半身はもう痙攣を何度も繰り返し、限界が近い。 「あーっ、あっ、蓮。やばい、オレいきそう……」 「あぁん、あん、航太、ボクも一緒に……」 ヒナタは、そう言うと、すぐに「あーっ!」っと悲鳴のような声を上げた。 蓮も、「うっ……」っとうめき声をあげると、ドクン、ドクンと、精子をオレの中にぶちまける。 連鎖して、オレもヒナタの中に精子を注いだ……。 ヒナタは、放心状態のまま突っ伏した。 オレもヒナタの横に倒れ込んだ。 ヒナタの横顔を見る。 目を閉じたまま満足そうな笑みを湛えている。 ああ、こんなヒナタの顔を見れるなんて、なんて幸せなんだ……。 オレは、ほんのり赤く染まったヒナタの頬に触れた。 ヒナタは、ゆっくりと目を開ける。 「ヒナタ……やっと、オレ達、繋がれたな……」 「うん。航太と繋がれた……嬉しい」 目をとろんとさせるヒナタ。 どちらからともなく唇を寄せて合わせた。

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