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(16) 繋がる絆

いった余韻で、まどろむオレ達。 なんだろう?……この充足された感覚。 オレの中で満たされ無かった器が遂に満タンになった。 そんな感覚……。 そんなフワフワした空気をヒナタが破った。 「ねぇ、蓮君」 「なんだ、水野」 「その、お願いがあるんだけど……」 「ん?」 と、いうものの、そのお願いとやらが、なかなかヒナタの口から出てこない。 蓮は、待ちきれずに言った。 「なんだ? お願いって」 ヒナタは、意を決して言葉を発した。 「ボクにも、入れてほしい……蓮君のチンチン!」 「えっ? それって……」 蓮は、驚いて言葉が続かない。 オレは、ヒナタの顔をまじまじと見た。 本気……なのか? だって、お前、あんなに蓮の事を嫌がっていたじゃないか……。 「ヒナタ………」 「だって、航太があんなに気持ちよさそうにしているんだもん。ボクだって……」 オレと蓮は顔を見合わせた。 ヒナタは、蓮に抱えられるように膝に乗せられ、そのまま後ろから挿入された。 オレと同じ。背面座位。 「あぁっ……おっきいよ、蓮君……はぁ、はぁ」 蓮の突き上げに、ヒナタは目を潤ませながら口を半開きにする。 そうだよな……。 蓮のペニスは、オレのペニスとは比にならない。 でも、オレとのエッチでヒナタのアナルも少しは広がっているから、丁度よかったのかもしれない。 それにオレの精液が潤滑油になって、滑りをよくしているはずだ。 いきなりは蓮のは入らない、もんな。 蓮は、徐々にピストン運動を激しくし始める。 パーン、パーンと肌がぶつかる音がなる。 「ほら、どうだ? 水野」 「あっ、あっ、すごい……あたってる……蓮君……気持ちいい」 あん、あん、と可愛い声を上げるヒナタ。 それにしても……。 すごい……こんな、エロい顔するのか……ヒナタ……。 やばい、ヒナタのよがる顔を見てたら、オレまで熱くなってきた。 ああ、やばい、アナルがうずく……。 それに、ヒナタのペニス。 あんなに、固く大きくなって……。 ああ、あれ、ほしい。 ヒナタのペニス……ほしい。 オレは、気付いたら無意識に、ヒナタのペニスをしゃぶっていた。 ちゅっぱ、ちゅっぱ。 あぁ、おいしい、ちゅっぱ。 「あっ、あっ、航太。やだっ……舐めないで……ボクのチンチン」 「はぁ、はぁ、レロレロ……だって、ヒナタのチンチン、すごい……」 蓮は、オレの頭を優しくなでながら言った。 「なぁ、航太。水野のチンチン、入れてもらったらどうだ?」 「えっ?」 オレは、恐る恐る上目遣いにヒナタを見る。 「ヒナタ……いいか? オレ、お前のチンチン、ほしいんだ……」 ヒナタは、優しい顔で答えた。 「……いいよ。航太。入れてあげる」 「本当にいいのか?」 「もちろんいいよ……航太がボクにお願いするなんて……嬉しい……ボクだって航太を喜ばせらるならうれしいもん!」 オレは仰向けに寝転がり、足を大きく広げた。 そして、両手でアナルを広げて待つ。 アナルに何かが触れた。 ヒナタのペニス……なのか? そのまま、ずずっとアナルが広がる。 熱くて固いものがどんどん入ってくる。 ああ、これって……。 そうか、夢で見た光景。これだったのか……。 「あっ、あぁん。航太のお尻の穴、きついよ……しぼり取られそう」 「あっ、あっ。ヒナタのチンチン、気持ちいい、ヒナタ、ヒナタ」 三人が再び一つにつながる。 そして、一つの塊になりユッサ、ユッサ揺れる。 「はぁ、はぁ。航太のアナルも最高だけど、水野のアナルも格別っ。あっ、出そう……」 「あぁん。だめ……ボク、お尻でもチンチンも両方いきそうっ……」 「あっ、あっ、ヒナタ、出して、オレの中に……たくさん出して……」 間違いない。 あの夢は、ヒナタ。やっぱり、お前だったんだ。 オレは、快楽に身も心も委ねながら、そう確信した。 「いくっ!」 「あーっ!」 そして、三人は同時に果てた……。 ヒナタのペニスは、オレの中でビクビクっと痙攣しながら、どんどん精子を注入してくる。 ああ、熱い。 ヒナタの思い。 オレは、ヒナタの愛を受け止めている……だって、ずっと、ほしかったものなんだ……。 ヒナタは脱力して、バタッとオレの上に覆い被さった。 火照った肌。 頬を赤く染めて、汗で光っている。 ヒナタは、はぁ、はぁ、荒い息をして、放心状態。 オレは、ヒナタの頬を指先で優しくなぞった。 お前、本当に可愛いな、ヒナタ……。 オレは、ヒナタの唇に唇を押し付けて、唇をむさぼり始める。 ちゅっぱ、ちゅっぱ……。 ヒナタはまだいった余韻に浸っている。 ふふふ。 そうだよな。 蓮の固くておっきいペニスでいかされたんだから……。 オレも、最初はそうだったもんな。 よかったな、ヒナタ。 これが、男にいかされるってことなんだ。男同士のセックス……最高だろ? しばらくして、ヒナタはうっすらと目を開けた。 そして、オレを見て微笑んだ。 まだ、頬には赤みがさしている。 オレは、ヒナタの髪の毛を撫でながら言った。 「ヒナタ……ありがとう。オレ、最高に気持ちよかったよ」 「航太、ボクも気持ちよかった」 「ふふふ。だろ? それに、蓮のチンチンよかっただろ?」 「うん……こんなの初めて」 ヒナタの最高の誉め言葉に蓮は、「そっか? そりゃ、よかったよ」と照れ笑いした。 オレは、そんな蓮をほほえましく見る。 ありがとうな、蓮。 ヒナタは、オレの頬にキスをしながら言った。 「航太、本当にありがとう」 「なに言っているんだ。オレこそありがとう。ヒナタの精子、ちゃんと受け取ったからな」 オレは下腹部を撫でながら言った。 「うん! それはボクもだし!」 「あはは。そうだったな。なぁ、ヒナタ」 「なに?」 「これでオレ達、本当の恋人になれたよな? ヒナタの望み通り」 「うん!」 「大好きだよ、ヒナタ」 「うん。航太、ボクも大好き!」 ヒナタは、改めてオレに抱き着くと、改めて唇を合わせた。 オレ達三人は裸のままソファに座った。 ヒナタは、テーブルの上のケーキを眺めて言った。 「ねぇ、航太。ケーキ食べていいでしょ? ボクはお腹が減っちゃった」 オレと蓮は顔を見合わせる。 「ああ、いいぜ。ちなみに半分は蓮からでもあるから」 「蓮君! ありがとう!」 長年の夢、あきらめていた、ヒナタとのセックス。 オレのチンチンがヒナタの中に入り、そして、ヒナタのチンチンがオレの中に入る。 オレは、それが実現できただけで、心が満たされた。 そして、ヒナタのこの笑顔。 なんて、幸せなんだ……。 蓮が言った。 「ところで航太」 「なんだ」 「あのバレンタインのチョコだけど、さっきの話だと、水野が作ったものっていうのは本当か?」 「ぶっ! 聞いていたのかぁ……ああ。まぁな……」 オレはバツが悪く、目を逸らす。 「なんだよ! 航太、じゃあ、お前、チョコ俺にくれてないじゃんかよ!」 「まぁ、そうなるな……」 蓮はマジで怒っているようだ。 まぁ、それは、そうか……。 確かに、オレはひどいことをしたのかもしれない。 「蓮、すまなかった。でも、告白は本当なんだ。蓮、信じてくれ……」 「航太、お前はケーキ無しな! 全部、水野。お前食っていいぞ!」 「やったー!」 ヒナタは、素直に大好物のショートケーキに手を伸ばした。 「ちぇ。蓮! そりゃないぜ! ……ふふふ。でも、まぁ、いっか」 蓮は、ヒナタに気付かれないように、そっとオレにウインクした。 えっ? なんだ? 蓮は、ヒナタが美味しそうにケーキを頬張るところを嬉しそうに眺めている。 優しくて柔らかい表情。 ああ、そういうことか……。 なんだ、本気で怒っていたわけじゃないのか。 ヒナタへ気を使った……ってことか。 蓮、お前のそういうところが、オレがキュンと惚れちゃうところなんだよ。 ヒナタが口の周りに生クリームをつけながら言った。 「そうだ。航太」 「ん? どうした、ヒナタ」 「航太に謝らなきゃいけない事あったんだ」 「なんだ?」 「これ……」 ヒナタが脱ぎ捨ててあったズボンのポッケから出したのは、小さな紙。 「まっ、まさか、それって……」 「うん。ジグソーパズル。これ、最後の一個、無かったでしょ?」 「一体、どうして……?」 ヒナタは、申し訳なさそうに声が小さくなった。 「うん。航太との最後の思い出がどうしても欲しくて……実は、最初からボクが隠し持っていたんだ」 「最初からって、作りはじめからか?」 「うん……でも、もういらなくなったから返すね……本当にごめんね」 オレは、ヒナタを抱きしめていた。 涙が出そうなのをグッと堪えてヒナタの頭に手を置いた。 そんな前から計画していたのか。 オレの事を思って……。 そして、オレとの最後の思いでって……。 そんな覚悟までしていたのかよ。 「痛いよ、航太……謝っているんだから許してよ」 「ううん。謝る事なんてない……ありがとな、ヒナタ」 オレは、頬に涙が垂れるの感じた。 でも、その涙はヒナタには見られないようにそっと拭った。

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