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第25話 ※

本作品は一部性的描写が含まれている可能性がございます。 すみません。 今回は少し背後を気にしつつ閲覧していただきますようお願いします。 バスとか電車とか家族の前とかはやめてくださいまし。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 「録音したのか?消しなさい!もしそれを誰かに聞かれたら…二人とも身の破滅だ!!」 携帯電話を取り上げようとしたつもりが腰が立たず俺は、へちゃっと うつ伏せに崩れた。 「嫌だ…俺は先生となら地獄に落ちても構わない。」 俺は腕の力だけでやっと体を起こした。 中島を探すと部屋の隅で携帯電話を後ろ手に隠している。 「バカっ!! そんな事になったら人生がメチャクチャになるぞ! お前は男にレイプされた生徒として学校中のさらしものになって転校することになる。転校先だって噂はすぐ広まるからいたたまれないぞ。」 「俺はそれでも良いっ!」 こんな状況になって頭に血が上っているのか、思い詰めているのか、冷静な判断を下せない中島は感情だけで話しているようだった。 どうしよう。どうすればいい。 俺は中島が一番頭を冷やすような言葉を探した。 「……………それなら俺は死ぬしかない。死んで中島のご両親にお詫びするしかない。」 「えっ!」 中島は驚いて顔をこちらに向けた。 「そんなものが、もし人手に渡ったりしたら頭の良いお前ならどうなるかわかるだろう。自分達だけじゃないんだ。周りのみんなを巻き込むことになるんだぞ。」 「!!!」 中島の顔は青ざめていく。 ほっ、やっと聞く耳をもってくれた。 「学校は不祥事を嫌うから俺は解雇。俺は生徒を暴行したとして警察に捕まり刑務所行き、もちろん教員免許を剥奪。刑期を終えて出所しても誰も教師としては雇わないだろう。その上、他の職業に就こうとしても就職先なんか見つかるわけがない……当然、中島のご両親だってお前のそばに居させたくないから接近禁止令を出すだろうしな…。」 「…そんな…暴行なんてされてません。したのはむしろ俺の方なのに…」 中島はいつの間にか俺の傍まで来ていた。 「当然のことだろ。大人が子供に手を出せば世間ではそう解釈される。」 「俺はもう子供じゃないっ!!」 俺は静かに中島を諭すように話しかけた。 「未成年で、ご両親に扶養されているじゃないか。それは子供なんだよ。……その上、俺達は男同士だ。この事がバレたらお前だって変態だの、気持ち悪いだの言われてイジメにあうのは目に見えている。録音なんてそんなもの残しても一つも良い事なんかないんだよ。」 「俺の事はどう言われても構いません!でも先生と別れるのは絶対嫌です!!」 中島の顔はすっかり色を無くして必死に俺の腕にすがりついていた。 こんなことになって悪かった中島……全て俺の責任だ。 「どうする?本当に俺と一緒に破滅するか?それともこんな事は全て忘れて普通の生活に戻るか決めるんだ。」 「……………俺の答えを聞く前に録音を聞いて下さい。俺の言った事、嘘なんかじゃないですから……。」 中島が昨夜録音した会話を再生してから携帯を俺に手渡した。 耳に当てるとすぐに中島の声が優しく俺に話しかけているのが聞こえてきた。 『…まって…俺…んんぅ…』 中島が言い終わる前に口接音が聞こえる。 『んんっ…はぁ…好きだよ…中島の事 好き…恋人にして…』 中島の言った通りだった。 キスをして、ねだったり告白している声はまぎれもなく自分の声だった。 携帯の会話を最後まで聞いていられなくて中島に返す。 俺は教師として最低だ。 どうしていいのか分からず頭を抱え込んでしまった。 「……録音は消去します……」 「本当か!」 中島の言葉に驚いて顔を上げると悲しそうな顔でつぶやいた。 「……でも先生……責任は取って下さい。」 「……わかった……」 「約束ですよ。」 中島を汚してしまった責任をとろう。 どうすれば許してもらえるのだろうか? 俺に出来る事ならなんでもしよう。        

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