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第2話
入学し、クラス全員の顔と名前が一致した。そんな中、仁は霧也が真っ先に覚えた男だった。
一回り大きな体格で目立つ生徒だったが、彼の存在感はそれだけではなかった。
普段は、ぼんやり窓の外など見ている仁。しかし不良たちが悪さをすると、いつも鋭い眼でそれを抑えつけてきた。
委員長である霧也の、援護でもしてくれるかのように。
ところが今日、最悪の事態が起きてしまった。
「4人をひとりで相手するなんて、無茶だ」
助太刀するつもりでいた。いつもの借りを、返す気でいた。
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