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第4話

   この事件の後、不良グループは大人しくなった。 (これで良かったのか?)  気になるのは、時々休み時間に不良共と一緒に仁が出て行ってしまう事だ。  そしてそのまま、次の授業はサボりになる。  周囲に、すっかり不良グループの頭と思われている仁。  そんなはずはない。  そう信じたくても、また仁は教室を出て行ってしまう。  教師に、相談した事もある。 「東君は、悪事に手を染めるような気質ではないと思うんです」  しかし、そんな霧也に大人は動いてはくれない。 「関わらないで、君は真面目に頑張りなさい」  学年でトップの成績を誇る、霧也だ。  この若葉を、不良と混じえて枯らしてしまいたくない。  それでも、そう言われれば言われるほど霧也は仁の事を考えるようになっていった。

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