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第5話
白石の奴、シメてやらねぇか?
そんな声が上がったのは、季節の変わった頃だった。
収蔵庫の窓際。
仁は煙草をくゆらせながら、その言葉を聞いた。
不良共と馴染んだ生活は霧也をやきもきさせていたが、当の本人はどこ吹く風だった。
「うぜえんだよ、あいつ」
「俺も思ってた」
話はまとまってしまった。後は、仁にお伺いを立てるだけだ。
「どう思う?」
「ヤるよな?」
ぎらついた、メンバーの眼。
仁は、面倒くさげにこう言った。
「好きにしろ」
不良共は次々と立ち上がった。
一番最後に仁が立ち、計画の遂行が始まった。
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