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第11話
翌日、霧也は学校を休んだ。
這ってでも出席しようとは、思ったのだ。
凌辱に屈し欠席したのだと、あの不良共に笑われたくなかった。
仁にも。
しかし痛む体に、熱に浮かされた頭。
猛烈な吐き気。
霧也は観念して、一日だけ休む事にした。
そんな日の午後、寮の自室でまどろんでいるところへ、ドアの開く音がした。
「どうだ? 具合は」
無断で室内へ入って来た男に、霧也は眼を見開いた。
「東!」
「よぉ」
奥へ進みながら、手にしたレジ袋をまさぐる仁。
霧也の元までやってくると、飲み物やプリンを並べ始めた。
「何か、食う?」
「いらない!」
信じられない。
昨日、あんな事をしておきながら!
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