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第12話
そんな霧也の憤りが通じたのか、仁はベッドに座ると話しかけてきた。
「昨日は……」
どんなに謝罪しようと、許さないつもりの霧也だった。
一目置いた時期もあったが、所詮はお前もろくでなしだったんだ。
「昨日は、すっげぇ悦かった!」
「え?」
「お前の身体、最高。な、俺とまた、セックスしようぜ」
馬鹿を言うな、と大声を上げていた。
どうして、お前なんかと!
「じゃあ、これ。どうする?」
返事の代わりに差し出した仁のスマホには、霧也の痴態が。
「よこせ!」
「おぉっと」
スマホを素早くポケットに捻じ込んだ仁は、とんでもない提案をしてきた。
「俺ともう一回セックスしたら、この画像消すから」
「ッ!」
「一回だけでいいから!」
仁は両手を合わせて拝み倒している。その姿に、霧也は思わずくすりと笑った。
一回だけなら。
あと一回、我慢して済むのなら。
「……いいだろう」
「マジ!?」
喜色満面の仁の顔は、まるで子どものようだった。
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