13 / 25

第13話

「では、早速」  浮き浮きと、仁はベッドへ上がり込んできた。  顔を背ける霧也の頬に、手を寄せる。  大きな、温かな仁の手のひら。 「熱、下がったんだな。よかった」 「あ……」  気づかなかった。  心配、してくれてたのか?  ふ、と唇が触れた。 「んッ」  仁は、霧也にキスをした。  咥内に忍び込んでくる舌に、不思議と嫌悪感は覚えない。  やはり温かな、仁の舌。  ゆるりと絡み擦りつけ、舐めとってゆく。  くちゅ、ちゅっ。くちゅくちゅ、ぴちゃ……。  静かな室内に、濡れた音が響く。  そっと仁が離れた頃には、霧也の頬は火照り、息が上がっていた。  そしてこれから……。  昨日の凌辱がフラッシュバックし、霧也は身をすくめた。  ところが仁は。 「はい。今日はここで終わり」

ともだちにシェアしよう!