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「はじめまして。高等部の生徒会で副会長をしている久遠響也です。迎えが遅くなっちゃってごめんね?」 「いや、俺が勝手に裏門に来ちゃったみたいだから」 イケメンが来た。すごく優しそうなお兄さん。なんか癒しのオーラが見える。 「君が常磐レイラ君かー・・・。騎麻に聞いてたけど、うん、すごく可愛いね」 ふふふ、と笑い方まで癒し。ちなみに騎麻ってゆーのは高等部にいる方の従兄弟。確か生徒会長をしてるらしい。成長期で身長がにょきにょき伸びて、最近は可愛いよりカッコいいの方が増えたのになぁ。でも言い方に嫌な感じがしないのでOK合格です。この人やっぱマイナスイオンとか絶対出てる。 「響ちゃんはイケメンだね。マイナスイオンばりばりのイケメン。ちょっと抱きついて良い?」 「ふふふっどーぞ」 微笑みながら手を広げてくれたので飛び込んでみる。はぁ〜、やっぱり癒される。移動で疲れた身体がほぐれてく感じ。 「・・・お前ら何してんの」 「優希くん!響ちゃんまぢ癒し!リラックス効果抜群!!」 「よくわからないけど、香山さんもやりますか?」 いや、遠慮しとく。と、ちょっと呆れ気味の優希くん。海外じゃハグくらい挨拶なのに。でも、響ちゃん本当すごい。もう一回抱きついておこう。あぁ、いい匂い。 「おっと、そろそろ寮に案内しないと。レイラ君行こうか」 時計を見て気付いたけど、予定より大分時間が過ぎていた。優希くんに軽く挨拶をして、裏門をあとにする。 「本当は騎麻が迎えに行くって言ってたんだけど、タイミング悪く先生に呼ばれちゃってね」 「日曜日なのに忙しいんだね」 学校って確か土日は休みだったはず。俺はまだ制服を受け取ってないから私服だけど、響ちゃんは制服を着てる。 「来週に新入生の歓迎会があるんだよ。その準備とかでちょっと忙しくてね。」 「そっかー、忙しいのに響ちゃんもごめんね」 「俺は仕事が終わったとこだから大丈夫だよ。みんなが会いたがってたレイラ君にも、一番に会えたし?」 そう微笑む姿は聖母マリアみたい。日本風に言うと、菩薩様?ちょっと違うか。響ちゃんは俺を惚れさせたいのかな。それなら成功、もう惚れてる。響ちゃんすき。 10分程歩いた頃、漸く目的地である学生寮が見えてきた。さっきからチラホラと学生の姿もある。 「レイラ君やっぱりすごい注目されてるね」 「ね、みんなの視線で穴が開きそう」 そう、とても見られている。チラ見とかじゃなくガン見。見られることには慣れているけど、いやいや見すぎだよ。 とりあえず寮の管理室に向かい部屋の鍵を貰う。説明は殆どここに向かう道中、響ちゃんがしてくれたので省かれた。流石響ちゃん、仕事も出来る! 部屋は512号室。通常は二人一部屋で、生徒会やある程度の役職持ちの生徒は特別に一人部屋。鍵の代わりのカードキーは、個人情報が登録されていて失くすと大変らしい。 512号室。今日から俺が住む部屋の目の前。生徒会のミーティングがあるらしいので、響ちゃんとはさっき分かれたばかり。最後にもう一度抱き着いておいた。 いきなり入るのもどうかと思い、一応ドアの横のインターホンを押してみる。なんだかホテルみたい。 暫く待っても特に反応が無いので留守のようだ。仕方がないからさっき貰ったばかりのカードキーを使い中に入る。 お、思っていたよりも広いかも。 中は中央が共同スペースでソファやテレビがあって、その左右にそれぞれの個室。風呂トイレは別で、キッチンもしっかりしたものがある。 予想通り部屋の中に人の気配はしない。日曜だし遊びに出かけてるのかな? さて、本当ならここで荷ほどきとかをするのが良いんだろうけど、少し休みたい。この一ヶ月は、少しでも早く日本に来るために手続きなんかでドタバタしていた。精神的疲れは響ちゃんのお陰で回復しても、肉体的なものには限界がある。一休みするつもりで共同スペースのソファに座ると、予想より遥かに座り心地が良く、これはやばいな・・・と、思った時には既に遅い。瞼がゆっくり降りていくのを感じる・・・。

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