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昨日も食べたけど食堂の料理はとてもレベルが高いと思う。聞いた話によると厨房にいる料理人達はみんな、TOKIWAの経営するホテルで数年間料理の修行をした料理人ばかりなんだって。だから食べ慣れた味なんだなと納得。 「なんかさー、さっきから入口の方ちょっとザワザワしてない?」 「それはきっと生徒会の誰かが食堂に来たからだよ!」 姫路くんが即座に答える。うるさくはないが、何だかザワザワと落ち着かない空気が漂っている。 「生徒会のみなさんはとっても人気だからね!誰か一人でも姿を現せるとみんなそわそわしだしちゃうんだよ!!」 キャーキャー騒ぎにならないとこがまた王道学園になりきれない惜しいとこだよね・・と何故残念そうなんだ。うるさいより良いと思う。しかし、ザワつきが少しずつ近づいているような気が・・・ 「レーイラっ」 「わっ、騎麻!」 突然名前を呼ばれ驚く。後ろを振り向くと笑顔の騎麻が立っていた。そして視線を後ろにずらすと、 「こんにちはレイラ君。昨日ぶりだね」 「響ちゃん!嵐ちゃんもいるー!」 そこには昨日寮まで案内をしてくれた響ちゃんと、同室者の嵐ちゃんの姿が。 「またお前そんな肉ばっか食ってんのかよ」 「わっ、レイラ君それ全部一人で食べるの?」 「あ!また野菜食べてないな!」 しまった、と思った時には既に遅く三者三様の声が上がる。完全肉食系の野菜嫌いで見た目に似合わず、かなりの大食い。実は先程似たような言葉を要くんと姫路くんの二人にかけられたばかりだ。 「会長さん達良かったら俺ら食べ終わったんで、ここ使いますー?」 「あぁ、ありがとう」 「どうぞどうぞー!」 俺達が知り合いなのを知った隣の机にいた生徒達が、気を利かせて席を空ける。騎麻は誰にでも優しい。今のやり取りだけでも、騎麻は学園でもきっとみんなにも平等に良い関係を築いているんだろうなと、容易に想像出来る。ま、身内には更にベタ甘になるんだけど。 「なぁ凌、このメンツはちょっと気まづいってか、俺ら場違いじゃねーか?」 「でも要、俺はここに最高の萌えイベントの予感を感じて最後まで見届けなければという使命を感じて動くことは出来ないよ」 「まじかよ・・・」 「レイラ、そっちにいるのは?」 「同じクラスの要くんと、姫路くんだよ」 「ども、笹倉っす」 「姫路凌です!」 「知ってると思うけど、生徒会長の常磐騎麻だよ。レイラとは従兄弟なんだ。よろしくね」 なんだか緊張した感じのクラスメイトの顔がちょっと面白い。右隣で繰り広げられる様子を見ながら、会話に夢中になっている騎麻の定食から豚カツを一切れ奪還することに成功。サクサクで美味しい!すると左からすっと手が伸びてきたかと思うと、俺の皿から唐揚げが一つ攫われていった。あっと思った時には既に唐揚げは、左隣に座った嵐ちゃんの口の中に・・・。 「・・・嵐ちゃん大人気ない」 「お前も同じことしてただろ」 「嵐太郎、君ねぇ。ほら、レイラ君俺のおかずで良かったら好きなの食べて良いよ」 嵐ちゃんと違って響ちゃんは本当に優しい。でも食べているのが精進料理かって程野菜まみれなので遠慮しとく。気持ちだけ貰っとくね。 「それにしてもレイラ君、今学園内ですごい噂になっているよ」 「噂?」 「1-Sに天使な編入生がきたって。しかもその正体はあのTOKIWAグループの御曹司で我らが生徒会長の従兄弟!ってね。ふふふ」 「実際は肉食大食いの猛獣系天使だけどな」 ニヤリと悪そうに笑う嵐ちゃん。色気ダダ漏れ系の嵐ちゃんにその笑い方が似合いすぎてて、ムカつくけどちょっとかっこいい。もっと爽やかに笑えないの!響ちゃんを見習え。

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