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(騎麻視点)

いつも通り同じクラスの嵐と響也と食堂に行くと、大勢の中にいても一際目立つ白い頭をすぐに見つけた。近づいて声をかけると、どうやらクラスメイトと一緒のようで、初めての学校生活を楽しんでいる様子に安心する。 「レイラ君お友達が出来たみたいなで良かったね。」 そう響也が教室へ戻る廊下で声をかけてくる。昨日迎えを頼んでレイラと会った響也は、生徒会室に戻ってからも上機嫌だった。 「ああ。響也はレイラをかなり気に入ったみたいだな」 「俺は元々可愛いもの好きだからね。あんなに可愛いレイラ君を見たら気に入らない訳がないよね」 そう、響也は昔っから可愛いものが大好きで、広範囲にぬいぐるみや花、お菓子や小物と様々な可愛いものが好きなのだ。そのおっとりおおらかな性格も相まって、レイラもかなり懐いてるのは見て取れる。 「でも、嵐太郎もかなりレイラ君を気に入っているようだけどね?」 「確かに。今朝はいつも遅刻ギリギリの嵐がわざわざ早起きして、職員室まで連れて行ってくれたみたいだし?」 「・・・うるせぇよ」 幼馴染の俺達には隠せないぞーと笑うと、少し気まづそうな姿を見せる。嵐は元々面倒見が良い方だが、あまり自分から他人に関わっていくタイプではない。だけど、レイラには自分から面倒をみたりちょっかいを掛けたりと、自ら関わりに行っている。 「ま、レイラの顔って嵐の好みのどストライクだもんな!」 「あのちょっと自由気ままでつい構いたくなる感じも好きでしょ?」 「ちなみに身体もすっげぇー好みな感じだったぜ」 「「え!?」」 反応が面白く軽くからかっていたつもりが、嵐の素直すぎる言葉に響也とギョッとする。いやいや、身体って・・・ヤったの!? 「ちげぇーよ。あいつ部屋の中全裸で歩き回りやがってよ。風呂上がりもパンイチだったし」 初日で手を出すとか俺はどんなケダモノだよ。と、軽く睨まれる。紛らわしい事を言うからだよ。レイラの自由さにも多少呆れる。同室者は見た目の通り夜は肉食系の怖い狼さんだぞと、しっかり教えとかないと。 「てか俺あいつの事、本気で気に入ったわ。可愛すぎ」 ・・・まさか一日でそこまで気に入ってるとは驚いた。嵐はあまり他人と絡まないが、一度自分の内に入れた身内にはとことん甘い。 「俺がレイラの事、本気で狙ってもいいよな?」 「本気ならね。嵐がどうしようもないクズだったら全力で阻止するんだけどなー」 どうやらこの幼馴染、そういう意味でレイラの事を気に入ったみたい。従兄弟的には少し複雑だが、嵐の性格を知っているので反対する気は無い。めっちゃ良い男なんだよなーこいつ。顔も中身も。ちょっと強引な所は有るが、それも魅力だと言えてしまうのが嵐だ。ま、頑張るのも最終的にどうなるかも本人達次第だし、レイラはあれでも人を見るセンスはある。 「とりあえずお兄ちゃんって言ってくれたら応援する。あと絶対無理強いはしないって約束して」 「もちろん約束するぜお兄ちゃん」 よし、応援してやるよ! 「・・・騎麻って本当にお兄ちゃん呼びされるの好きだよね」 好きさ。本当は俺の兄弟に呼ばれたいがあいつらは言ってくれない。反抗期なんだろうか。お兄ちゃんは寂しい。 (騎麻視点終了)

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