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相棒のしろくまくん

「・・・ぃら、そろそろ起きろよ」 「ん〜・・・」 「流石にこの状態はまずい。起きろ」 何だか少し焦ったような声と共に肩を揺り動かされる。何だよ、やっと深い眠りにつけそうってとこで・・・。 ぱこんっ 「いてっっ」 何かで頭を叩かれ強制的に目を覚ます。いきなりの衝撃に一瞬何が起こったのかわからず周りを見渡すと、丸めた教科書を手にこちらを見下ろすハジメちゃんと目が合った。あぁ今は生物の授業中だったんだっけ。 「お前、ただの居眠りなら多少は見逃すがな、流石にそれはダメだぞ」 そう言い俺の腕に抱き込まれた抱き枕、白熊のぬいぐるみを指差す。あれ?なんで俺こんなの今持ってるんだろう。それはいつも寝る時に抱き枕にしているもので、本来なら寮のベッドの上にいるべきものである。 「学校に持ってくるのは良いが授業中はしまっときなさい」 「はーい」 よくわからないがとりあえずはと、背中と椅子の間に挟んでおく。案外良い背もたれになった。ハジメちゃんが黒板の前に戻り、また授業が再開された。なんだか頭がぼーっとして話が頭に入ってこない。 「なに?寝不足か?」 授業の終了を知らせるチャイムと共に隣の要が話しかけてきた。確かに眠い。寝ても寝ても寝足りない、というよりもスッキリしない。なんだか身体が気怠い。 「朝から白熊持って登校する姿はなかなかシュールだったよね」 「俺この子連れてきた記憶ないんだけどー」 いつも通り近づいてきた凌が白熊の鼻をつつく。こらこら、もっと優しく扱ってあげてください。 「どっか体調悪いなら保健室行けよ」 そう言い要が手を伸ばし俺のおでこを触る。なんだか手がひんやりしてて気持ちいい・・・。 「おいっレイラお前すげー熱あるぞっ!」 「えっレイラ君大丈夫!?」 熱・・・?そういえばちょっと頭が痛いような。というより色んな関節が痛い?あぁでも熱あるから気怠かったのかー。要の焦りようからして、多分かなり高めの熱があるんだろう。 「熱ってさ、あるって気づいちゃうと急にしんどくなるよね」 「ほらっ阿呆なこと言ってないで保健室行くぞ」 「立てる?支えようか?」 歩くのがしんどくて冗談半分でおんぶって言ったら、俺の顔色を見た要が本当におんぶしてくれた。殆ど身長の変わらない俺を軽々とおんぶするってなかなか力持ちなんですね。決して俺がガリガリだからではないと思う。 保健室に着き熱を測るとなんとなんと38.8度。そりゃしんどいはずだなと納得。授業がある要と凌は教室に戻り、今は保健医も用があるらしく先程保健室を出ていった。大人しく寝てなさいと言われたが、動く気力すらないので言われた通りベッドに横になる。ちなみに俺の隣には一緒に保健室に連れてこられた白熊くんもいる。 無人の保健室は窓から微かに風で揺れる木の葉の音が聞こえるだけでとても静かだ。熱のせいもあって、すぐに眠さがやってきた。 あと少しで眠りに落ちる、その瞬間にガラリとドアの開く音が聞こえた。保健医がもう戻ってきたのかなとぼんやりした意識の中思いつつも、そのまま眠りに着く。

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