30 / 311

甘いカフェオレ

お茶会はとても盛り上がり、三時間程続いた。後片付けを済ませ帰ろうとした時には、既に外は暗くなり始めていてみんなで小走りで寮に向かう。初対面の二人はとても話しやすかったし、同じクラスなのに今まで絡む機会の少なかったケイとも沢山話すことが出来た。 「ただいまー」 寮に戻ると共同スペースでテレビを観ていた嵐ちゃんが振り向き、手招きされるがままに近づく。 「おかえり、楽しかったか?」 「うん!ゴールデンウィークに遊ぶ約束までしちゃった!」 明日からはゴールデンウィークで五日間の休みになる。殆どの生徒が帰省をするということで俺も常磐の本家へと帰ることにした。土日も学園の敷地内で過ごしていた俺にとっては、約三週間ぶりの外出だ。 「俺との約束も忘れるなよ?」 「ばっちり覚えてるから安心してー!」 ゴールデンウィークは予定がぎっしりだ。要や凌との約束もあるし、何より家族に久々に会える。毎日メールや電話で連絡をとっていても、やっぱり直接会えるのは嬉しい。 「カフェオレ飲むか?」 「飲むー。ハチミツ入れてー!」 はいはいとキッチンへと向かう。嵐ちゃんの入れるカフェオレは珈琲に拘っているからか、凄く美味しいと思う。暫くするとキッチンの方から珈琲のいい香りが漂ってきた。匂いだけなら美味しそうと感じるのに、やっぱり珈琲は苦すぎて飲めない。 「ほら、もう火傷するなよ」 「しないよーっ。火傷したら嵐ちゃん、えろいちゅーしてくるし」 俺は覚えているんだからな!初めて嵐ちゃんからされたキスは頭がぼーっとするような大人なキスだった。ああいったのはあれ以来していないけど、未だに感覚を思い出せる程には強烈だった。思い出すとちょっと恥ずかしくなってきた。多分、俺今顔赤い。 「何赤い顔して。またして欲しくなった?」 悪戯を仕掛けるようにニヤリと口角を上げて笑う嵐ちゃん。 「やだよ。またされたら俺絶対勃っちゃうもん」 そう、あまりオナニーをしない俺は今、多分溜まっている状態なのだ。だからあんなキスをされたら我慢出来る気がしない。勃っても自分で処理出来ないので、モヤモヤが持続する事になるから困る。 机の上に置かれたマグカップを取り口を近づけてみる。が、まだちょっと熱いのでもう一度机に戻した。 マグカップから手を離した直後、それは起こった。横から伸びてきた大きな手に手首を掴まれ、そのまま勢いよく引かれる。転がるように倒れ込む俺に重なるように近づく嵐ちゃんに驚く暇も無かった。 「ぇ、」 俺の声は瞬時に嵐ちゃんの口内へと消えていき、代わりに熱い舌が俺の中へと入ってきた。それに気付いた時にはもう俺の舌は人質に取られていて、頭に痺れるような感覚が走る。 まずいなぁと頭の何処かでは思いつつも、つい気持ち良さに流されてしまう。 「んぁっ、、ん、ふ」 舌先を吸われる感覚に自然と声が漏れ、負けじと自分からも舌を絡めて行く。気付いた時には嵐ちゃんに完全に乗り上げた形で膝に跨り、夢中でお互いを求め合っていた。 気持ち良さに頭がぼーっとしてきた頃、情熱的なものから少しづつ緩和され、ちゅっと小さなリップ音を立てて唇が離れていく。 「ははっ本当に勃ってる」 気持ち良くて反応してしまったそれは、跨った状態ではらんちゃんのお腹に擦り付ける形になってしまい完全にバレバレだ。 「っだから言ったじゃん!」 嵐ちゃんが笑う振動が下半身に伝わり、ぴくっと身体が反応してしまう。もうここまで勃ってしまったら出さないと収まらないだろう。 久々に頑張ってみるか・・・と、嵐ちゃんの上から降りようとした。その時ーーー。

ともだちにシェアしよう!