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GWスタート

激しくなった動きと共に殆ど同時に熱を吐き出した。上がった息を整えるように二人でソファに寝転がる。まだ夜は肌寒い季節だと言うのに暑い。 不思議だ。保健室で襲われたのはほんの一週間前。あんなにも怖く、あんなにも気持ちが悪かったのに、嵐ちゃんが相手だとそういった感情は全く無い。あるのは少しの羞恥心とただひたすらの快感。 それは相手が知っている人間だからなのか。それとも状況の問題なのか。 とりあえず今言える事と言えば、 「片付けは嵐ちゃんがやってよ」 「あんだけ出したんだ、お前も手伝えよ」 やり始めたのは嵐ちゃんなのに理不尽だ。しかしそのままにする事も出来ないので、手分けして汚れた部分を拭き取り、窓を開け換気する。こういう瞬間が何やってんだろうなと少し虚しくなる。 その後は交互にシャワーを浴びて早めに寝た。あんな事をした後でも同じベッドに入り一緒に眠る俺達は、付き合ってなくてもなかなかリア充な関係だと思う。 翌朝、いつもより起きた時の体がスッキリしていた。昨日スッキリしてから寝たので当たり前かもしれないけど。こほんっ。 今日は昼前に本家から迎えが来る。そのまま本家へ向かい、昨日から日本に来てる家族と合流する予定。とても楽しみだ。 「レイラー、準備出来てる?」 「ばっちりだよ〜」 本家へは騎麻と、その弟で中等部の真斗と一緒に帰る。真斗と会うのは半年ぶりくらいだ。 「じゃあ嵐ちゃん、また明日ね!」 「気をつけて帰れよ」 午後に実家へ戻る嵐ちゃんとは寮でお別れだ。ま、明日には遊ぶ約束をしているからすぐに会うことになるんだけど。 だいたいのものは本家にあるので荷物は必要最低限。今日の騎麻はダークグレーのゆったりしたパンツに、白いシャツを合わせた眼鏡姿。俺は黒のダメージの入ったスキニーに、白いロゴのTシャツの上から黒のゆったりサイズのパーカー、外に出る時は必須アイテムのサングラス。色素が薄すぎて日光が苦手なので露出は抑える。最近は制服と部屋着しか着ていなかったから、私服を着るのは久々な感じ。 「よ、レイラ、騎麻兄」 「真斗久しぶり!」 校門へ着くと、先に中等部に寄ったのか車の中には真斗がいた。騎麻に似ていて、だけどまだ少年ぽさの残る真斗だけど、前に会った時よりも少し大きくなったように感じる。 久々の再開にハグとキスで挨拶する。やはり近くで見ても前より大人っぽくなっている。俺にも成長期が来ていなかったらたぶん身長は抜かされていたなぁ〜・・・、なんとか歳上のプライドは保てた。 「真斗・・・最近俺にはキスしてくれなくて反抗期だと思ってたのに、レイラには普通にするのかよ」 お兄ちゃんとも呼んでくれなくなったし・・・。ちょっと落ち込み気味の騎麻は、実はかなりのブラコンだ。従兄弟の俺にも甘いが、弟の真斗と俺と同い年の妹の風月にはもっと甘々。 「何拗ねてんだよ」 そう言い騎麻の胸ぐらを掴み引き寄せ、ちゅっと軽く唇を合わせる真斗。・・・なかなか強引なキスだけど、男らしくていいと思う。なんだかんだ仲良しな従兄弟達の姿に、俺も早くお兄ちゃん達に会いたい気持ちが高まった。 その後上機嫌の騎麻と俺達を乗せ、一時間半程車を走らせ本家へと向かう。ヨーロッパやアメリカ、オーストラリアなど様々な所に常磐の家はあるけど、やっぱり本家は住んでいる人数も多いので一番大きい。 正面の門を抜けると中は小さな街のようになっていて、その中に本家を中心に一族やお手伝いさん達の住まいがある。沢山の人が集まり一緒に暮らしているので、とても賑やかで活気があり、俺はこの雰囲気がとても好きだ。 途中沢山の人と挨拶を交わしながら漸く本家に辿り着く。玄関の扉を開き出迎えてくれたお手伝いさんに荷物を渡すとすぐ、三人で1階の広間に向かう。そこにいるのはーー、 「ただいま!」 久々に見る両親や兄弟、親戚の姿に自然と顔に満面の笑みが浮かぶ。

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