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モデルの楽しさ

「カレンさん!T.KRNの大ファンです!!」 「あら!ありがとうー!」 今日はまみちゃんとのいちゃんとの約束の日。お茶会でのまみちゃんの話をしたらカレンちゃんが凄く喜んでいたので、待ち合わせ場所に送ってもらうついでに二人を会わせてみた。 デザイナーをしながら今も現役のモデルとして活躍しているカレンちゃんは、20代にしか見えない見た目に抜群のプロポーション、息子の俺ですら見とれる程の美貌。俺は女の子の好きなタイプは間違いなくカレンちゃんだと答えるくらいに魅力的だ。 顔を真っ赤にしてカレンちゃんにファンだと伝えるまみちゃんと、笑顔でハグを交わすカレンちゃん。少し会話をしたあと、十六弥くんとデートの約束をしているカレンちゃんは車に乗って去っていった。 「レイラ君!本当にありがとう!!もう俺緊張しすぎて心臓爆発するかと思ったよ!!」 「生のカレンちゃん可愛いでしょー!」 「最っ高!!」 凄く喜んで貰えたようで良かった。興奮冷めやまないまみちゃんと、のいちゃんと一緒に今日の目的である建物の中に入っていく。中には沢山の写真が壁に貼られていて、機材や小物が沢山置いてある。 「騎麻達は先に撮影してるからレイラもさっそく着替えてくれるか?」 「おっけーい!」 ここはのいちゃんのお父さんの撮影スタジオだ。俺達の写真を見たのいパパにどうしても写真の被写体になって欲しいというお願いをされ、今日は俺と騎麻、嵐ちゃんと響ちゃんがこのスタジオに呼ばれている。 衣装はまみちゃんの会社の物を用意してくれていて、山野井・間宮のコラボ撮影会だ。 「まずはこれかな」 そう言いまみちゃんに渡された衣装に着替え、髪も軽くセットされる。個人的な撮影とはいえ、ヘアメイクの人までいて本格的だ。一通り準備を終えスタジオ内へと案内される。そこでは、騎麻と嵐ちゃんが撮影をしている最中だった。 カシャッカシャッ 「いいね!次少し視線外して!そう!次は少し右に!」 男らしい二人は黒を貴重とした衣装に身を包み、指示に合わせお互いにポーズを変えたり位置を変えつつ写真を撮られていた。スタイルも良く高身長の二人はプロのモデルも顔負けな程にカッコよく、ポーズを決めていく。 「レイラ君レイラ君」 撮影に気を取られていると横から小声で声をかけられる。そこには、俺と同じ白を貴重とした衣装を身につけた響ちゃんの姿が。え、何かいつもより癒しの王子様オーラ全開なんですけど。 「二人共凄いよね。プロみたいにポーズも決まっちゃって。俺ちょっと緊張しちゃうなー・・・。それにレイラ君もいつもよりずっと可愛くて、つい見とれちゃいそう」 ふふっと少し恥ずかしそうに笑う響ちゃんに俺はもう既にノックアウト寸前。折角髪もセットしてもらったが、気にせず響ちゃんへと抱き着く。あぁもう何。響ちゃんてかっこいいだけじゃなくてそんな可愛い顔もするの。 「ほらほら、そこのじゃれてる二人次撮るからこっちに来てくれー!」 いつの間にか騎麻達の撮影は終わってたらしく、カメラを構えたのいパパに呼ばれる。慌てて響ちゃんと二人カメラの前に立つ。 こちらを向くカメラに先程までのほわほわしていた気持ちから、頭の中でカチリとスイッチが入るのを感じる。カレンちゃんに連れられ小さな頃からモデルを何度も経験するうちに、カメラを向けられると自然に脳内でモデルとしてのスイッチが入るようになった。 「すげぇな・・・」 「モデルは手伝いとか言ってたけど、あれはそんなレベルじゃないよ・・・」 そんな事を言われているとは知らない俺は、カシャッカシャッという音に合わせポーズを決めていく。久しぶりの撮影だけど、この撮られる感覚が俺は凄く好きなんだと思う。 その後も衣装を変えて、ペアを変えて、また衣装を変えてと撮影は順調に進んでいく。一通り用意された衣装は撮り終え、みんなで控え室に戻る。 「レイラ君やばすぎだよ!なんか無料で撮らせて貰うのが申し訳ないくらいの作品だらけ・・・」 「いや、レイラも凄いけどあれに合わせてついていける騎麻達もかなりやばいぞ」 そう今日はアシスタントに回っているまみちゃんとのいちゃんが興奮気味に言う。そんな照れちゃうなー。遊び感覚の撮影とは言え楽しくなって、少し本気を出していたのは確かだ。

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