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街に行ってみた

「んーっ楽しかったー!」 流石に何度も着替えたり髪型を変えたりと疲れたけど、こうして好きな人達とする撮影はとても楽しかった。今日撮った写真は後日冊子にしてプレゼントしてくれるというので、出来上がりも楽しみだ。片付けや編集の手伝いをするらしいまみちゃんとのいちゃんとはスタジオで別れ、今は騎麻達と四人で近くの繁華街へを歩いている。 「嵐ちゃん最後の時すっごい慌ててたね」 気まづそうに視線を逸らす嵐ちゃんを見てニヤリとする。撮影も次のカットが最後となった時、嵐ちゃんとペアで気分の上がっていた俺は、カメラに写らないギリギリの角度で嵐ちゃんにキスをした。普段から度々キスをしてくる嵐ちゃんだが、人前でする事はない。なので軽い悪戯心だったのだけど予想以上に驚いたようだ。すぐに冷静にポーズを決めていたが、近くにいた俺には耳が少し赤かったのが見えていた。 「嵐ちゃん意外と可愛いとこあるね〜?」 「・・・うるせぇよ」 ふふふっ。いつもは余裕があって色気たっぷりの嵐ちゃんの、ちょっと可愛い姿が見れて今日は大満足だ。 「腹減ったしとりあえず何か食べに行かないか?」 「そうだね。嵐太郎、レイラ君も何か食べたいものはある?」 「こいつはどうせ肉だろ」 「もちろん!」 騎麻に言われ、午前中から撮影をしていて腹がだいぶ減っていることに気付く。俺や騎麻は割りと遊びに出掛けてファーストフードなども食べる事があるけど、嵐ちゃんや響ちゃんはどうなんだろう。二人ともお金持ち学校として有名な天羽学園に初等部から通っているお坊ちゃんだ。そういうのに抵抗はあるのかな。 「あ、全然ファーストフードでもファミレスでも大丈夫だよ?」 「常磐の坊ちゃんに初めてファミレスに連れてかれた時には俺も驚いたけどな」 どうやら騎麻に連れて行かれた経験があるのか抵抗はないみたいだ。常磐家の人間は勿論レストランや料亭に行く事が多いけど、みんなでわいわい出来るファミレスやファーストフードも嫌いではないのだ。 「じゃあ俺久々にハンバーガー食べたい!」 某ハンバーガーチェーン店の看板を見つけそこで昼食をとることにした。種類も豊富でボリュームもそれなりにあるのにこの安さ。何度来ても驚きだ。 「ご、ご注文はお決まりですか?」 顔を赤くした店員の女の子が緊張した面持ちで訪ねる。よく見ると周りにいるスタッフやお客さんもみんなこちらを注目しているようだ。が、学園内で注目されることに慣れているので気にせず、みんなの分もまとめて騎麻が注文する。 出来上がったら席に持ってきてくれるらしいので、飲み物を持って空いていた席へと腰をおろす。やっぱりゴールデンウィークで混んでいるのか殆どの席が埋まっていた。 「このあとどうする?」 「特に買いたいものとかもないしなー」 特に予定を決めていなかったのでこのあとの予定を作戦会議。普段学園で休日も仕事か部屋でダラダラしている意外とインドアな四人なので、いざ外に出かけると何をしていいか困る。 「お待たせしました!」 タイミング良く運ばれてきたハンバーガーが目の前に置かれる。 「ハンバーガー4つ、チキンタルタ2つ、フィレオフィッシュ1つ、タブルチーズバーガー4つ、クォーターパウンダー3つ、照り焼きバーガー3つ、ポテトのLが4つ、ナゲット5つ、計25点でお間違いないでしょうか?」 机の上には大量の包の山が出来上がった。ずっと俺達に注目していた、周りのお客さんが唖然としている表情が視界に写る。 「レイラ君相変わらずよく食べるね」 毎日見てるはずなのに呆れた視線を送ってくる嵐ちゃんと違い、よく噛んでねと微笑んでくる響ちゃんはやっぱり凄いと思う。

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