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自覚
「なぁレイラ、」
「なに?」
まだ顔が熱く、嵐ちゃんの事が直視する事が出来ない。横目でチラッとみた嵐ちゃんは、先程のニヤリとした表情では無く真面目な顔をしていた。
「俺はお前の事が好きだ。誰よりもお前を甘やかしたいし、誰よりもお前の側にいて、お前の事を守りたい。
レイラ、俺のものになれよ」
一瞬どういう意味なのか分からなかった。今嵐ちゃんは"俺のものになれ"と言った?それはつまりーーー、
「嵐ちゃんは俺の事を恋愛感情で好き?」
「そうだ」
休み前に教室で要と凌と話したのを思い出す。あの時はあまり実感が湧かず聞き流していたけど、本当に嵐ちゃんは俺の事が好きだった。そっかぁ、嵐ちゃんは俺の事が好きなのか。
その事実にドキドキと胸が高鳴る。どうしよう、凄く嬉しい。
「俺、正直恋愛感情の好きってよく分からないんだけど、嵐ちゃんは俺の事、どう思う?」
「そうだな・・・、俺はお前に好きだと言われると心が暖かくなるし、笑顔を見ると嬉しい。騎麻や響也の事も気が合うし好きだけど、あいつらとは何かが大きく違う。何が違うのかって言われると上手く言葉に出来ないが、お前の事は特別だって感じる」
それは俺が先程嵐ちゃんに感じたものととても似ていて、俺にとっても嵐ちゃんは特別だ。
「もし、騎麻や響ちゃん、要や凌が誰かと付き合う事になったら、その時俺は多分おめでとうって喜ぶ。でももしそれが嵐ちゃんだったら、多分俺は素直に喜べない。嵐ちゃんが誰かのものになってしまうのは、嫌だ」
「俺もお前が誰かのものになるなんて絶対に許せないな」
なんだ、お前も俺の事大好きじゃねぇか。そう笑う嵐ちゃんの言葉がすっと俺の中に溶け込む。なんだ俺、嵐ちゃんの事好きだったんだ。みんなと同じ好きじゃなくて、特別な好き。
「嵐ちゃん!俺も嵐ちゃんの事好きだよ!大好き!」
もう知ってるよ、笑いながら嵐ちゃんに強く抱き締められる。負けないくらい俺も強く抱き締め返しながら、どちらからともなく唇を寄せる。好きだと自覚した瞬間、今までも行っていたその行為が幸せで仕方ない。
「レイラ、俺のものになってくれるな?」
「嵐ちゃんこそ、俺のものになって」
お互いに至近距離で見つめ合う。暫く見つめ合ったところで二人同時に吹き出した。
「ははっ上等だ。仕方ないからお前のものになってやるよ!」
「俺も。仕方ないから嵐ちゃんのものになってあげる!」
どうやら俺達はお互いに負けず嫌いなようだ。自分だけが相手のものというのではなく、相手も自分のものじゃないと満足出来ない。
「さっきまで自分の気持ちも分かってなかった割りに、随分と欲張りじゃねぇか」
ニヤニヤ笑う嵐ちゃんは言葉の割りに凄く嬉しそうで、俺も自然と笑顔になっていく。
「でももう分かっちゃったからね。嵐ちゃんこれからは覚悟してね?」
俺はなかなか独占欲が強いみたいだからね!
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