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風紀を乱すな
「嵐ちゃんも欲望には勝てないまだまだ子供だって事がわかった」
「仕方ねぇだろ。俺はお前と会った初日からお前の事狙ってたんだから」
「・・・まぢか」
嵐ちゃんの腕枕で綺麗になったベッドに二人で横になる。先程までここでやっていたことを思い出すとムズムズするけど、何だか幸せな気持ちに満たされている。
全身を襲うとてつもない倦怠感と腰のじんわりした痛みに、とうとうやっちゃったな〜と思いながら目の前にある首筋にがぶがぶと噛み付く。
「なに噛んでんの。可愛いだけだから止めて」
「嵐ちゃんって俺の事よく可愛いって言うよね」
「めっちゃ可愛い。可愛くてえろくて最高」
えろいのは嵐ちゃんの方だから。甘噛みしていた首筋に唇を寄せ強く吸い付くと、小さく紅い模様が浮き上がる。なかなか綺麗に付いたそれをぺろっとひと舐めすると、頭上から大きな溜息が聞こえた。
「ほんとなんなのお前、キャラ保てなくなりそうだからあんま可愛い事ばっかすんな」
それはそれで面白いので見てみたい。嵐ちゃんがもぞもぞと動き首筋にチクリとした痛みを感じる。俺が付けたのと丁度反対の位置。
「痕ついた?」
「ばっちり。でも失敗だわ、肌白すぎてめっちゃ目立つ。これは十八禁」
「え、歩く十八禁とか嵐ちゃんみたいじゃん」
首筋のキスマークなんてそういう事をしましたって言ってるようなものだ。流石にそんなアピールをしながら歩く趣味はない。先にやったのは俺だけど、服に隠れる所にすれば良かったとちょっと後悔。
インナーを着て隠せばどうにかなるだろうと思い、徐々に襲ってくる眠気に抗うこと無く眠りについた。
次の日、キスマークは隠せてもいつもより気怠く、時折腰を庇うような仕草をするレイラに、多数の生徒が顔を赤くしてトイレに駆け込んで行ったとか行かなかったとか。昼休みに生徒会長と風紀委員長の前で正座させられている、レイラと嵐太郎を目撃した生徒が居たとか居なかったとか。
「ただいまぁー」
昼休みをめいいっぱい騎麻とこのくんによる
説教で終わらされ、ただでさて腰を痛めているのに足まで痺れてふらふらとする。やっとの思いで教室に辿り着き、自分の席へとなだれ込むように座った。
「会長達の説教なかなか長かったね」
朝一で俺の姿を見た瞬間に奇声を上げて倒れた凌が、今は落ち着き労わるように声を掛けてくる。
「騎麻の説教よりこのくんの説教が強烈だった・・・」
「そんな色気垂れ流しの無差別テロ状態で校内歩いてたら、委員長も頭抱えたくなるよな」
ちなみに要には朝一で会った瞬間に無表情で脳天にゲンコツを食らった。いきなりゲンコツをされて怒ろうとしたが、あまりに無表情の要が怖くて何故か俺が謝った。理不尽だと思う。
「別にこんくらいみんなやってるでしょ」
「自分らの見た目と注目度の高さを考えてから言え」
要は見た目はピアスだらけの不良ルックなのに中身が真面目だ。また怒られるのも嫌なので大人しく黙っておく。
騎麻達にも怒られたので当分はやり過ぎ注意、程々にしておこうと思う。元々俺はそこまで性欲が強くないので問題ないけど、嵐ちゃんはどうだろう。
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