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「はい!ケイの負けー!」
「わわっまた負けちゃった・・・。じゃあ次は現国の近藤先生の真似をします!」
そう言い初老で少し滑舌が悪く高確率でサ行を噛む、現国の近藤先生の真似をし始めるケイ。写真を見終わり、何かしようと言うことでトランプをやり始め、いつの間にか罰ゲームでモノマネをやることになっていた。
普段は学園内でもカリスマ的に扱われている生徒会メンバーも、中身はふざけるのが好きな普通の高校生だ。可愛い見た目のケイのなかなか振り切ったモノマネに、みんな笑いが止まらない。
「に、似てるwww」
「ケイがモノマネ得意だったとか、知らなかったwww」
先程のまみちゃんの静かに怒る響ちゃんの真似というのも良かったけど、ケイのするモノマネのチョイスが絶妙で適わない。爆笑することのあまりない嵐ちゃんと響ちゃんまで、笑いすぎて声が出ていない。
「流石にちょっとネタが尽きて来たかな」
「ネタって、芸人かよ!」
意外なケイの特技に盛り上がり、その後も様々なゲームをしていると、気付けば夜の9時を回っていた。
「楽しいと時間ってあっという間だね」
「部屋も近くなったし、また集まろうぜー」
あまり夜に騒ぐと玄さんや他の部屋の住人に怒られてしまうので、今日はこれでお開きとなった。
くぅ〜ん
「あ、ティノ起きたの〜?」
先程まで大人しくゲージの中で寝ていたティノが目を覚ましたようで、こちらを見つめるつぶらな瞳と目が合う。
「腹減ってんじゃねぇか?」
嵐ちゃんが今日買ったものの中から、ティノのご飯を取り出し封を開ける。お皿に少量うつしたものを渡され、ティノの前へと置いてみる。
ペットショップで与えていたものと同じものを買っていたので、すぐにご飯だと気づいたティノが勢いよく食べ始めた。
「ははっすごい勢いで食べてる!」
「やっぱ腹減ってたんだな」
本当に可愛い。食べ終わったティノの鼻を軽くつついてみると、ペロッと指先を舐められる。
「かっわいーー!!」
小さな頭や体を撫で回していると気持ちいいのか、尻尾をふりふりとするその姿も可愛く自然と顔の筋肉が緩む。すると急に背中に重みを感じ、耳元を擽るような吐息に肩を竦める。
「んっ」
「ティノばっかじゃなくて、俺にも構えよ」
そのままかぷっと耳を噛まれ体の力が抜ける。急に手の動きの止まった俺をティノが、不思議そうに見上げている。
「もぉっ嵐ちゃん!ティノの前でえっちなこと禁止!!」
こんな子供の前でなんてことを!!そう気持ちを込めて睨みつけるが、全く気にした様子のない嵐ちゃんは服の中に手まで入れてきた。
「っあ、も、、ダメだってばっ」
「ほらティノが見てるのにそんな声出していいのか?」
「嵐ちゃん!!」
少し強めに抵抗しようとするが、この一ヶ月程で俺の弱い所を知り尽くした嵐ちゃんが、容赦なく服の中に入れた手で乳首を刺激してくる。基本的快感に弱い俺は一瞬で抵抗する気も無くなった。
「ティノ、いい子だからまた寝てな?」
器用に片手でティノの小さな体を抱き上げるとゲージに戻す。大人しくゲージに入ったティノは嵐ちゃんの言葉が分かるのか、大きな欠伸をし、毛布の上でまた丸くなってしまう。ちょっとティノ君、聞き分けが良すぎじゃないでしょうか!?
「ほら、ティノからもお許しが出たから観念しろ」
見慣れた嵐ちゃんのニヤリと口角を引き上げて笑う顔に、自然と下半身が疼いてしまうのは、仕方ないと思う。
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