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『かんぱーい!!』 全ての種目の決勝が終わり結果は、バスケが優勝、サッカーは2位、テニスが2位のバレーが4位。どの種目も優勝クラスがバラけたこともあり、なんと総合得点で1-Sが総合優勝を勝ち取った。 ご褒美としてハジメちゃんがクラス全員分のジュースと大量のお菓子を用意してくれ、教室ではプチ祝賀会が開かれていた。 「楽しかったーーっ」 「今日のMVPはゆっきーだな!」 「レイちゃんがミラクルシュートで点稼いでくれたおかげだけどね!」 「最後の最後では外したけどな」 「あっ要ひどい!!」 俺達もジュースを片手に今回の成果を讃え合う。目標だった種目優勝もクラス優勝も両方達成出来、最高の一日だ。優勝景品の購買で年に一度だけ数量限定で販売されるという幻のチーズケーキも絶品で、あっという間にみんなの胃の中に消えていった。 「ただいまティノー!玄さんありがとうー!」 寮に戻りまずは管理人にティノを迎えに行く。尻尾をぶんぶんと振って出迎えてくれたティノを抱き上げる。 「おかえりレイラ君。球技大会はどうだったかな?」 「優勝したよ!!」 「ほう、それはすごい!」 優しい玄さんの笑顔につられて俺も笑顔になる。 「ティノはいい子にしてたー?」 「あぁ、とてもいい子だったよ」 いい子にしてたよ、褒めて!とでも言うように首筋に擦り寄って甘えてくる姿にキュンキュンしながら背中を撫でてやる。玄さんにも迷惑をかけなかったようで安心した。 玄さんにお礼を言い部屋へと戻る。 「風呂溜まってるからとりあえず汗流してこいよ」 お風呂上がりの嵐ちゃんにティノを渡し、入れ替わるように浴室に向かう。あまり長く浸かるなよという嵐ちゃんの言葉に返事をしつつも、服を脱ぎ捨てさっと体を洗うと湯気の立ち込める湯船に浸かる。一日走り回って疲れた体に温かいお湯が心地良い。 「あ、ブラッシングしてもらってんのー?」 お風呂から上がるとソファでティノが嵐ちゃんにブラッシングされ気持ちよさそうにしている。毛並もつやつやふわふわだ。 「お前ら似たような毛質してるな」 嵐ちゃんが俺とティノを同じようにわしゃわしゃと撫でる。確かに色も柔らかさも似てるかもしれない。 「あっちょっと嵐ちゃん!あんまぐしゃぐしゃにしないでよっ」 なかなか撫で終わらないなと思ったらどんどん頭をぐしゃぐしゃにされる。抵抗する俺の横ではティノが嬉しそうに尻尾を振っているが、俺は嬉しくない。安ちゃんに切ってもらったおかげで多分絡まりはしないけどもじゃもじゃになるのは止めて欲しい。 結局手を離された時には頭は小さな鳥の巣状態だった。何してくれてんだ。 「ねぇ、バスケで優勝した俺に何かご褒美はー?」 「何か欲しいのか?」 お腹にティノを乗せて嵐ちゃんの膝枕でゴロゴロ。んー、別に何か欲しい訳では無いんだけど。iPhoneを弄りながら俺の頭を撫でる嵐ちゃんの首に手をかけ引き寄せてキスをする。 「何?今のがご褒美?」 「ん」 むしろ俺へのご褒美だろという嵐ちゃん。というかいつも通りすぎて嵐ちゃんのご褒美にすらならないんじゃないかな。それでも不思議と満たされた気持ちになったので、やっぱりご褒美かも。お腹の上のティノを引き上げてチュッと鼻先にキスをする。うん、可愛い。

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