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仲直りしよう

別荘に戻ってから大分本調子を取り戻した俺達は、持ってきていたトランプを夜中まで楽しんだ。昼間の海で疲れていたこともあり12時を回る頃には一人、二人と睡魔に負け始め、明日に備えて寝ることにする。 「レイラ」 部屋に戻ろうとしていると、騎麻が近づいてきた。そのまま正面から抱きしめてくるのを、特に抵抗も無く受け入れる。 「本当ごめんな〜」 「もう怒ってないってばーっ」 「レイラ泣かせたとかカエラ達に知られたら俺すっげぇ怒られるな・・・」 むしろ肝試しでビビって号泣したなんて絶対にカエラ達に知られたくない。そこはお互いの為に黙っておくべきだ、絶対。 無事に仲直りした俺達は久々におやすみのキスをしてそれぞれの部屋に戻る。俺はいつも通り今日も嵐ちゃんと一緒に寝るつもりなので、二人で俺の部屋へと向かう。 「疲れたね、・・・っん!?」 部屋に入りドアを閉めたと同時に急にベッドへと押し倒され唇を塞がれる。嵐ちゃんの熱い舌が入り込んだと同時に絡み取られた俺のものをキツく吸われ思わず声が漏れた。 「っ、何、どうしたの?」 いつもより少し乱暴な口付けを不思議に思い嵐ちゃんの顔を覗き込む。その顔は何だか少し不機嫌そうに見え、しかし怒っている訳では無さそうで、何とも言えない表情をしている。 「面白くねぇ」 「え?」 「お前らのそれが挨拶代わりなのは知ってるけど、俺の前では禁止」 何の事を言っているのかが分からず困惑する。俺の反応を見た嵐ちゃんがまた俺に噛み付くようにキスをしてきて、更に状況がよく掴めない。 「っね、ちょっと待って!何をしちゃダメなの!」 「キス」 キス?どういうことだ・・・とどうにか頭の中で状況を整理する。キス?挨拶代わり?・・・・・・・・・もしかしてさっきの騎麻としたおやすみのキスのことか!! 確かに俺達にとっては、というより俺達家族にとってはおはようもおやすみも言葉とキスはセットだ。それは嵐ちゃんの言う通り挨拶であり、家族の中でのコミニケーションというか、愛情表情というか、とりあえず嵐ちゃんが思っているような意味は含まれていない。 しかし先程よりムッとした表情をする嵐ちゃんにある想いが浮かぶ。もしかしてー、 「騎麻相手にヤキモチ?」 「・・・悪いかよ」 俺の予想は当たっていたようで、嵐ちゃんは騎麻相手にヤキモチを妬いらしい。まさかそんな事を嵐ちゃんが思うとは予想外すぎて驚きだ。 「レイラにとっては家族の挨拶でも、俺からしたら恋人と親友の浮気現場だぞ」 「浮気!?」 そう思われるのは流石に心外だ!俺はこれでも誰かと付き合っている時に他に目移りしたり、ましてや浮気なんかは絶対しない。軽そうに思われがちだけどかなり一途な自信がある。 「ごめんね、もうしないから」 「お前らの家族の挨拶なのは分かっているから、俺の目の前じゃなきゃ、許す」 「ん、ありがとう」 本当は嫌だと思っているのにそう言ってくれる嵐ちゃんはとても優しい。今度は俺から嵐ちゃんに唇を寄せキスをする。さっきのとは違い柔らかく唇を重ねるキスだ。 「ちなみにお前と兄貴達のは別に俺の前でしてもいい」 「え、カエラとサハラはいいの?」 何でと尋ねると、返ってきた答えに唖然とする。 「好きな奴と同じ顔した奴のそういうのはむしろ興奮する」 「・・・嵐ちゃん、それは何か複雑な気持ち」 嵐ちゃんはたまに正直すぎると思う。

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