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わくわくドキドキ体育祭、スタート!

それから約三週間。普段通りの授業の中に少しづつ体育祭の練習や準備を織り交ぜた時間割と、放課後は応援合戦の練習をほぼ毎日繰り返した。 「今日は体育祭本番!練習してきた成果を存分に発揮し、全力で赤組の優勝をもぎ取るぞぉぉー!!!」 『オォォォオオー!!!』 みんなの前で大将が気合いを入れる。天気は快晴、9月にしては少し暑い今日、とうとう体育祭の日がやってきた! 「うわーっテンション上がってきたー!!!」 「レイラ君準備期間からずっとそわそわしてたもんね!」 楽しみにしていた体育祭なんだから仕方ない!凌の言う通り俺はこの数週間、ずっと浮かれた状態だったと思う。 「今日暑いしあんまはしゃぎ過ぎてぶっ倒れるなよ」 そう言う要もいつもより若干朝からテンションが高いのは知っている。要は普段はあまりやる気が無いけど、実は負けず嫌いで球技大会や体育祭のようなイベントが好きなんだ。 開会式のためにグラウンドに集合した俺達は色別に並ぶ。それぞれの色のTシャツを着て並ぶ光景はいつもの全校集会の時とは違いとても鮮やかだ。 理事長の激励の後、入れ替わるように青のTシャツを着た騎麻が前に上がり挨拶をし、また入れ替わるように青いTシャツを着たこのくんが諸注意を促す。横に控えている生徒会もケイを除きみんな青いTシャツを着ていて・・・。 「ちょっと青組目立ちすぎじゃないかな」 「確かにな」 同じ人数の筈なのにさっきから前に出てくるのが青組ばっかで何となく青組に対する対抗心が燃え上がる。 そんな事を考えている間に開会式は終わり、第一種目の100m走に出場する生徒へ招集がかかる。100m走に出場する要や他の赤組の生徒を見送り、俺達は生徒用の応援テントへと向かった。テントの中には椅子とウォーターサーバーがあってなかなか快適だったりする。 とりあえずテントの日陰に入った俺は朝に寮でも塗ったが、念の為に日焼け止めを塗り直すことにした。まわりのみんなは夏休み明けから更にこの数週間の練習でこんがり日焼けしているけど、俺は体質的にそうはいかない。 「レイラ君、さっきから気になってたんだけど、あそこにいるのって・・・」 「ん?十六弥くん達だよ?」 「だよね」 そう、実は今日は十六弥くん、カレンちゃん、亜津弥くん、華南ちゃんの四人が体育祭を見に来ていたりする。亜津弥くんや華南ちゃんは基本的に日本で仕事をしているけど、十六弥くんとカレンちゃんはこのためだけに日本に来ている。来週にはカエラやサハラの学校も体育祭があるので、それまで日本にいるらしい。 「十六弥さん達もすごいけど、何か今年は見に来てる父兄が例年の5倍くらいいるよ」 生徒が約650人に対して観覧に来る人数は大体100人程らしいが、確かに今目の前の保護者観覧席には500人近くいる。金持ちの集まる天羽学園、仕事が忙しく場所も山の中なのでなかなか保護者は観覧に来ないらしい。 「そりゃ今年はTOKIWAのトップの子供が二人もいるんだぜ?しかも騎麻の親は毎年どっちかは観覧に来てることは有名だし、もしかしたら今年はTOKIWAの社長が来るかも!?って噂が広まって無理矢理都合つけて見に来た親が大勢いるってよ」 「会長と弟くんが揃う年の体育祭とかも普段より人数集まるよな〜」 隣にいた晃太くんや二年生達が疑問を解決してくれた。え、じゃあこの保護者達って自分の子供じゃなくて俺や十六弥くん達目当てで来てるの?それっておかしいと思う。 「自分の子供見に来なよね」 「まぁそうなんだけど、俺達もTOKIWAの社長に興味あったりするからさ〜」 「てか、あの金髪の外国人ってモデルのカレン・エインズワース!?」 「やっぱ世界のTOKIWA、レベルが違う・・・」 みんなで保護者側の席を眺めている間にいつの間にか100m走の選手がグラウンドに入場していた。要やクラスメイトの姿を見つけ声援を送る。 『さあさあ始まりました天羽学園高等部体育祭!!一つ目の種目である100m走が今始まろうとしています!!やはり注目すべきは最終組に控えている我らが生徒会長、常磐騎麻選手でしょうか!!これは最後まで目が離せませぇぇえぇん!!!』 「位置について、よーい・・・」 パンッッ テンションの高い放送部の実況の後、第一走者が体育委員の合図によりスタートする。俺の初めての体育祭のスタートだ!

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