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みんなでご飯
「食堂涼しい〜」
普段は生徒と保護者は別々にお昼をとるらしいけど今年は参加している保護者が多いので、特別に食堂を解放して一緒にお昼をとれることになっている。生徒には全クラス分の食堂の料理人特性弁当が配られているけど、俺は食堂で十六弥くん達と騎麻や嵐ちゃん、嵐ちゃんの家族とも待ち合わせをし一緒に食事をとることにした。
「はじめまして、結城晴一と言います。こちらは妻の麻耶です」
「はじめまして」
初めて顔を合わせた十六弥くん達と晴さん麻耶さんが挨拶をする。今日は凛ちゃんは仕事で居ないらしいので残念。
「嵐ちゃんさっきのは何さ〜いじめかこのやろ〜」
先程の事を思い出し嵐ちゃんにぷんぷん。痛かったんだぞ。
「あ、それ響也から聞いたぞ。まあ、どうせ棒倒しで小野寺さんに負けた腹いせかなんかだろ」
「うるせぇよ」
にやにやする騎麻に文句は言いつつ否定しない嵐ちゃん。いやいや、そんなことで俺の頬っぺたをいじめたの。え〜。
「何それ俺悪くないじゃん」
「お前があのタイミングで小野寺さんを応援しなきゃ俺が勝ってた」
「理不尽!」
同じチームなんだから応援くらいするさ!ぷんぷん。ムカついたので嵐ちゃんの食べている唐揚げを奪って食べる。
「つか、レイラ、お前何露出狂ばりにパンツ見せびらかしてんだよ」
「わざと見せてたみたいに言わないでよ!」
突然ふってきた十六弥くんの言葉につい食べていた唐揚げを吹き出しそうになる。別に見せようとしたわけじゃない。あの服装で見せないようにする方が不可能だ。
「すっげぇお前のパンツで盛り上がってたぞ」
「スタンディングオベーションの勢いだったな」
「折角ならもっと可愛いパンツ用意してあげたのに。勿論T.KRNのロゴ入で」
「あら、下着でPRなんて斬新ね」
俺のパンツの話で盛り上がるのは止めて。晴さん達が呆れてるじゃん。
「ねぇレイラ、私も華南ちゃんもこの後仕事で最後まで見れないの」
「悪いわね騎麻」
むしろこんな短い時間のためにわざわざ来てくれた二人に感謝。華南ちゃんも売れっ子弁護士なので忙しいんだろう。それにしても同じくらい忙しいはずの十六弥くんと亜津弥くんは大丈夫なんだろうか。
「俺達はいざって時にさえ居りゃ、他は良いんだよ」
「うちの社員は優秀だからね」
そもそもTOKIWAには運動会休暇や参観日休暇、出産の立会休暇に誕生日休暇、普段の仕事さえちゃんとしていれば何でも休暇を貰える。だから多分今までの体育祭に来ていた保護者も大半はTOKIWAの社員だろう。
「ま、こいつらの勇姿はしっかり写真撮っとくから」
「レイラはまた何かやらかすかもだし目が離せねぇな〜」
「俺だって活躍するから!」
まあ確かに午前はお姫様抱っこされてゴールしたり、女装でパンツ見られたりかっこいい姿は見せれてませんけど?俺だって頑張ってるのにーーーっ
「午後の一発目は応援合戦だし、騎馬戦とリレーもあるんだからしっかり食べて体力つけときなよ」
「そうなんだけど、暑くていつもより食欲ないんだよね〜」
「珍しいな」
まあ食欲がないって言っても普通の人並には食べてるんだけど。騎麻が心配して自分の食べていた料理の中から肉を俺に食べさせようとするけど、さっきの唐揚げでもうお腹いっぱいなんだよなぁ。
「とりあえず午後こそ騎麻と嵐太郎ボコボコにして1位取ってこいよ」
「まかせろー!!」
十六弥くんに頭をわしわしと撫でられる。午前は結局青組に逆転されて1位を奪われ、しかも白組と同点の2位だったりする。仮装障害物競走であのまま1位を取れていたら逆転されることも無かったと思うと申し訳ない。
「両親の前でボコボコにして来いって言うのが流石というか」
「十六弥さんらしいな」
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