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まさかの結末

「総合優勝おめでとう」 「ありがとうございます!!」 全ての競技が終わり今は閉会式。和臣おじさんが優勝トロフィーを白組の大将に渡す。 そう、優勝は白組。 リレーの最後、アンカーを走る大将を応援するために大声を出した俺の声は、しっかりと大将こと開くんに届いたらしい。 しかし、それが失敗だった。ずっと大将呼びをしていたのを初めて名前で呼ばれた開くんは、まさかの動揺して盛大にコケた。 しかもそれが丁度1位の青組を追い抜こうとした瞬間で、運悪く青組の大将が巻き込まれ、真後ろを追っていた緑組の大将も避けきれずに巻き込まれた。とんだ玉突き事故状態。 そこを4位で走っていた白組の大将がつまづきながらも避け、そのまま1位でゴールし、総合優勝も持って行ってしまった。なんということだ。 「嵐ちゃん、俺が悪いのかな」 「いや・・・小野寺さんが悪いんじゃないか?」 あの時の開くんの動揺に気付いた俺達の何ともいえない気持ち。 実はずっと俺に名前で呼ばれたかったらしい開くんの、負けて悔しいのに何故か嬉しそうな顔を見て、赤組のみんなは悔しがるタイミングを失った。 ちなみに俺と騎麻、何故か嵐ちゃんは、リレーの直後に十六弥くんに「何でどっちも優勝じゃねーんだよ」と頭にチョップをくらった。いや、俺達だって予想外の結果だったんだけど。 そのまま閉会式の前に帰るという十六弥くんと亜津弥くん。帰る間際、十六弥くんに午前に響ちゃんにされたように両手で頬っぺたを挟まれた。暫く俺の顔をじっと除き込んだ後に手を離すと、 「明日ティノに会いに本家に帰るんだろ?迎えに来てやるよ」 「本当に!」 行動の意味はわからないけど、迎えに来てくれるのは嬉しい。俺の頭を撫でた後、騎麻や嵐ちゃんに軽く声を掛け十六弥くんと亜津弥くんは帰っていった。 今日は土曜日。体育祭の振替休日で月曜日が休みになるので、明日は久々にティノに会いにいく予定。この三週間は体育祭の準備や練習で外出もしていなかったので楽しみだ。 「ただいま〜」 体育祭が終わり軽く後片付けをした後に教室で赤組の解団式があった。結果は優勝は出来なかったけど、とても楽しい体育祭だったことは間違いない。別に体育祭が終わったからって会えなくなるわけでもないのに、大袈裟な程別れを悲しむ開くんのせいで予定よりも帰るのが遅くなってしまった。 「おかえり」 先に部屋に戻っていた嵐ちゃんは既にシャワーを浴びたみたいでスッキリとしている。俺も早くこの一日中外にいて動き回った、砂埃だらけの体をどうにかしたい。そう思い風呂場に直行しようとした俺に嵐ちゃんが、 「あんま長風呂すんなよ」 と、声をかけてリビングの方へと向かう。疲れた体的には湯船にしっかり浸かるのが良いんだろうけど、実は今少し貧血気味だったりする。多分昼をいつもより食べなかったせいだとは思うけど、嵐ちゃんに言われた通り長風呂は止めておいた方が良さそうだ。 ささっとシャワーで全身を流した後は、素早くシャンプーをし体を洗った。少し日焼けしたのかピリつく肌を労りお湯の温度は低め。すぐに風呂から出た俺はバスタオルで水分を拭くと下着だけを身につけてリビングへと向かう。 「嵐ちゃーん」 「ん」 ソファに寝転ぶ嵐ちゃんの上に重なるように寝転がる。その姿勢のまままだ湿っている俺の髪を器用に拭いてくれる嵐ちゃんに身を任せて力を抜く。あぁ、アドレナリンが切れたのか思ったよりも疲れている。 「今日えっちする?」 「そんな体力残ってるのか?」 「ん〜」 まぁぶっちゃけ残ってはいない。けど、折角の休日前。前回からも日にちが空いてやりたい気持ちと、ゆっくり寝たい気持ちの板挟み。 「体力使わずに眠りながらしたいなぁ〜」 「馬鹿か。今日は早く寝ろよ、明日家帰るんだろ?」 そうなんだけど、何だか妙に身体が熱いのだ。日焼けで熱が残っているのか、触れ合った嵐ちゃんの肌がひんやり冷たく感じる。 「なんか身体が熱いってゆーか、別にむらむらはしてないけど、ぼーっとする・・・」

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