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十六弥くんと嵐ちゃんって似てるよね?
「今日亜津弥くんいないのー?」
「亜津は風月の応援」
風月とは騎麻の妹で真斗の姉。俺と同学年で天羽学園とは別の高校に通っていて、陸上部に入っている。かなり活発で陸上部の中でも期待のルーキーだって、前に自分で言っていた。ま、身体能力の高さは知っているから活躍している姿は容易に想像出来る。
「ちなみに今日玲と麻紀が帰ってくるってよ」
「本当にー!会うのすっごい久々!」
二人は基本的に欧米の方で仕事をしている。その子供の柚乃は騎麻と同い年で弟の和紗と妹の愛紗は中学二年生で双子。三人ともアメリカのスクールに通っている。おっとりした柚乃に対して下の二人はヤンチャで悪戯好きな性格。よく俺達兄弟について遊び回っていた。残念ながら今回帰ってくるのは玲弥ちゃんと麻紀くんだけみたいだけど。
「嵐ちゃん、玲弥ちゃんは十六弥くんと亜津弥くんの妹で、麻紀くんはその旦那さんだよ」
「へぇー、名前的に性別逆かと思ったわ」
「確かにねぇ〜」
丁度良い機会だから二人に嵐ちゃんを紹介しよう。そうしよう。ティノも紹介してあげるからねーと、足元にじゃれてくるティノを撫でる。
俺がティノとボールで遊んでいる間、十六弥くんと嵐ちゃんは何の話かわからないけど盛り上がっている。二人は趣味とかが合うみたいでどんどん仲良くなっていると思う。いい事だ。
「ただーいまー」
「お、帰ってきたな」
出迎えに行ってこいよと嵐ちゃんと二人で部屋から送り出される。俺達の後ろをてこてことついてくるティノと一緒に玄関へ向かうと、正月ぶりの玲弥ちゃんと麻紀くんの姿が。
「あら!久しぶりレイラ!」
「久しぶり〜!」
すぐに俺に気付いた玲弥ちゃんがサングラスを外しながらハグをしてくる。玲弥ちゃんはカレンちゃんとはまた違った可愛さがあって魅力的。俺、基本的に常磐家の顔好きだから。
「あれ〜?十六弥くんちょっと雰囲気変わった?黒髪もかっこいいよ」
「え、いや、」
後ろからのんびりした声が聞こえて振り返ると、麻紀くんが嵐ちゃんに話しかけていた。てか麻紀くん、
「麻紀くんそれ十六弥くんじゃないから」
「麻紀、移動中にコンタクト外したままでしょ。でも、その子は?」
あれ、おかしいなとか言っている麻紀くん。この人は多分俺の知っている中でNo.1天然さんだ。天然ほのぼのほわわん系。
「嵐ちゃんだよ〜」
「どうもはじめまして、結城嵐太郎です」
「あ!噂の!」
そうそう。嵐ちゃんのことを知っていたらしい玲弥ちゃん、理解が早いですな〜。麻紀くんも、あの嵐ちゃんね、とか言ってるけど多分どの嵐ちゃんかは分かっていなさそう。
「嵐ちゃんとティノに会いに帰ってたんだよ」
そう言い足元にいたティノを抱き上げて見せる。尻尾をふりふりして挨拶している様子にその場のみんなで和んだ。
「小さい時のレイラに似ているね」
「・・・麻紀くんには俺が犬に見えてたの?」
のほほん麻紀くんと玲弥ちゃんをつれてさっきまでいたリビングに戻ると、十六弥くんが、よ!と軽く二人に挨拶をする。
「レイラ、久々に麻紀に診てもらっとけ」
「そうだね、レイラおいでー」
呼ばれるままに麻紀くんの前に立つ。そのまま俺の脈をとったり身体中を触り出す。実は麻紀くんは医者で、こんな天然なのに腕はかなり良い。
身体は至って元気だから病気って言うと微妙だけど、俺達兄弟は先天性白皮症つまりはアルビノだ。ただ、俺達はメラニンは人より少ないがゼロではなく比較的軽い方。アルビノによく見られる弱視などの症状は運良く無く、むしろ視力は良い。ただ紫外線への耐性が無いのは間違い無いので、たまにこうして麻紀くんには身体に異常が無いか診てもらっている。
「レイラ、」
一通り診終わった麻紀くんが珍しく真剣な顔で名前を呼んできた。
「ちょっと日焼けして皮膚が炎症気味だけど問題ないレベル。強いて言うなら痩せすぎ!だからお昼ご飯にしよ〜」
そう言うと俺の腰に手を回し抱き上げると食堂の方へと歩き始めた。いや、確かに最近ちょーっとだけ食欲落ちてたけど痩せすぎでは決してない。はず。俺はガリガリをちょっと気にしてるんだ。
「そういや昼飯まだだったな」
「そうですね」
「私達も行きましょうか!」
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