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犯人はだーれだ!

「そんなことが起こっているのか」 「そうなんだよね〜」 放課後は久々にあっきーと冬弥と一緒に食堂の横のカフェテリアでお茶をしている。私物が無くなっているということを話すと二人とも驚いていて、それでもやっぱり犯人の心当たりはないみたい。 「ファンクラブが無いから正確な人数はわからないけど、レイラ君のファンって会長よりも多いって言われてるんだよね」 「え、それは無いでしょ」 「本当だぞ。レイラは中性的だから受けにも攻めにも人気だからな」 受けとか攻めとかあっきーまで凌みたいなことを・・・。しかも俺にはファンクラブが無い分、他のファンクラブの人の中にも俺の隠れファン的な人もいるらしい。 「だから犯人がもしレイラ君のファンだったら、かなりの人数が該当することになるね」 「ファンだったら私物を欲しがる奴もいるからな」 まぢか。私物を欲しがるって、一体その私物をどうするのか。いや、知りたくはないけど。 「二人も俺の私物とか欲しいと思う?」 「え、いや、服とかはちょっと憧れるけど・・・って、別に変な意味じゃないよ!?レイラ君すごくお洒落だし!!」 「俺はブロマイドとかなら欲しいけど私物は別に要らん」 あっきーはいつも通りとして、冬弥は俺の服を欲しいと思うのか。俺のお下がりで良いなら今度着てない服をあげよう。そう言うと真っ赤な顔で喜んでいる冬弥。友達になった今でも俺に憧れてくれているというのは、ちょっと恥ずかしいけど素直に嬉しい。 それから他愛もない会話をしてお茶を楽しんでいる間、実は背後からずっと視線を感じていた。普段から注目されることには慣れているし、食堂などでも無数の視線を常に感じる。そういった視線はこちらに気付いて欲しいというよりも、ただ気になって見ているといった感じのものが多い。 でも、今感じている視線は明らかにこちらに自分の存在を知らせようとしているような、わざとアピールしている感じがする。 「ねぇ、今俺の後ろって誰かいる?」 敢えて振り向かず、向かいに座る二人に背後にいる人物の有無を確認した。俺の質問の意図を察したのか、二人は自然な動作で俺の背後へと視線を移す。 「五人居るな」 「でもみんなこっちを見ている感じはしないかも・・・」 いつの間にかさっきまで感じていた視線は無くなっている。こちらの反応に気付いたのかな。そうだとしたらなかなか鋭い。多分だけど、きっと今の視線は俺の私物を盗んだ犯人のものだろう。 「追いかけてみるか?」 「ん〜止めとこうかな」 変わった視線ではあったけど、悪意のような物はやはり感じなかった。それに変に追いかけて刺激するのも良くないので、放っておいた方が良い気がする。 その後も視線の相手が戻ってこないか気にはしていたけど、結局戻ってくることは無かった。 「で、結局姿は見れなかったんだな」 部屋に戻ってから嵐ちゃんにカフェテリアでの話をした。姿が見えなかったので犯人の手掛かりにはならないけど、俺に関心があるのは間違いないだろう。 「何かやっぱり危害を加える目的は無さそうなんだよね〜」 「あまり油断するな。何を考えているかなんかわからないだろ」 ま、結局は犯人を見つけないと全て分からないということか。実は今日、帰る時にある仕掛けをして来た。早いともしかしたら明日にも犯人の手掛かりを見つけれるかもしれない。 「嵐ちゃん明日はいつもより一時間早く起こして!」 「たまには自分で起きろ」 わかってないな嵐ちゃん。自分じゃ起きれないから頼んでるのに!

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