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続きまして、文化祭
「お化け屋敷がやりたい!」
「飲食系も取り入れたいよな〜」
「え、俺料理出来ないけど!」
体育祭が終わり次にやってきたイベントは文化祭。今はクラスでの出し物を決めるための話し合い中だけど、みんなやりたい物があってなかなか決まらない。
「みんな!重要なことを忘れているぞ!!」
なかなか進まない話し合いの中で、急に立ち上がったクラス委員の迅にみんなの注目が集まる。迅は真面目な優等生の見た目に対して、中身はかなりノリが良くてリーダーシップに長けている。
「文化祭での優秀クラスの選定ポイントは、エンターテインメント性と売上の二つに分かれる」
どうやら文化祭でも優秀クラスを決めるらしく、どれだけ楽しませれるかというエンターテインメントの面と、販売系の出し物をするクラスには売上がポイントになるらしい。
ある程度は被らないように実行委員会により話し合いも行われるらしいけど、やっぱり学生だけで出来るものには偏りが出る。なのでどれだけ他のクラスとの差を付けていくかが重要だ。
立ち上がったまま反応を見るように教室を見渡す迅。そして深く息を吸うと、
「うちのクラスにはレイラがいるんだぞ!その強みを最大限に活かす出し物にしなくてどうする!!」
「え」
いきなりの飛び火だ。しかし教室内はそうだった!!と、迅の言葉に盛り上がっている。気づけば先程までの話し合いとは変わり、俺に何をさせるか、どうすれば人が集まるかといった話し合いになっていた。
「という訳でレイラ、頼んだぞ!!」
「え〜・・・」
"コスプレ喫茶店"
黒板に書かれた文字にあまりいい予感はしない。みんなのギラついた視線にも不安が増えていく。
「俺達Sクラスは有難い事にレイラやケイ以外にも、顔の良い奴が多い」
「すげぇ自信じゃん!」
「事実だからな!」
迅の言葉に野次を飛ばす声もあるけど、実際にSクラスには人気のある生徒が集まりやすい。それを自分で言ってのけるのはなかなか凄いけど、まあ事実なので置いておこう。
その後は係や分担を決め、俺は当日の配膳係、つまりはウェイターに決まった。同じくウェイターに決まった要と凌だけど、要は裏方希望だったのに迅に問答無用でウェイターに移動させられ今はふて寝中。
「要は接客とか嫌いそうだもんね」
「ま、一緒にがんばろ〜」
俺達の声にチラリとこちらを見るが、機嫌は直らないらしくて本格的に顔を伏せて寝始めてしまった。
「俺は部活の方の出し物もあるからちょっと忙しくなるな〜」
「サッカー部は何するの?」
「たこ焼き!」
各部活でも参加は自由だけど模擬店などをすることが多いらしく、凌達のサッカー部はたこ焼きを売るらしい。俺もたこ焼き作ってみたいな。
「体育祭もだけど文化祭といえば校内のカップルが急増して俺的にはそっちの観察も忙しい!!」
確かに凌はかなり忙しそうだ。まあ本人はむしろ生き生きとしてるけど。相変わらずの元気さに感心。その元気さが少しでも要にあれば良いのにとちょっと思ったけど、凌みたいなテンションの要は最早要じゃないな。
「そういやこの前の休日の嵐ちゃんとの話聞く?」
「勿論!!!」
凌はよく俺と嵐ちゃんの話を聞きたがる。見慣れた鼻息の荒くなった凌を相手に、今日の話し合いの時間はこのまま終わりそうだ。
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