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※ 2
「ほら」
嵐ちゃんに促されるままに目の前の首に腕を回すと、俺よりも更に大きな手がペニスを握った。与えられる快感に身を委ねながら、目の前の唇に噛み付くようにキスをする。
「ん、ぁあっ・・・はぁ、っ」
「、んっ」
殆ど同時にイった俺達は肩で息をする。気持ちいい・・・。けど、足りない。嵐ちゃんと付き合い出してから、後ろの気持ち良さを知ってしまった。そのせいか、以前は一回イけばある程度の満足感があったのに、今では前だけでは、ましてや一回では足りない。
色んな感覚が嵐ちゃんによって作り替えられているようだけど、それが満更でもないのは嵐ちゃんへの愛だろう。今後も一生面倒を見てもらうつもりだからよろしくね。
ゴソゴソとベッドサイドの引き出しを漁っていた嵐ちゃんが、中からローションと小さな箱を取り出す。箱の中には銀色の棒が数種類入っていて、所謂尿道ブジー。実はここ最近、というか夏休みに嵐ちゃんの家に行った時から、嵐ちゃんは俺への尿道攻めにハマってしまった。何故ならイく回数を制限すれば、いつものより長くセックスを楽しむことが出来るから。あまりアブノーマルな世界への扉は開かないで欲しい。
初めて綿棒を突っ込まれた時は、本来何かを入れる場所では無いそこへの刺激に恐怖すらあった。それが、何度もされるうちに今ではすっかり性感帯の一つに変化した。ま、元々お尻だって入れる場所じゃないし。
「ん、はぁ・・・」
「もうちょい入れるぞ」
「っ!、らんちゃっ」
しかも綿棒の時には届かなかったけど、尿道の奥には前立腺がある。そこをトントンと軽く、優しく突いてくるけど、その刺激は全く優しくない。
何回か軽く出し入れされただけでイってしまいそうになるのに、ぴったりと嵌った棒のせいで先走りすら出ない。嵐ちゃんはその様子を満足そうに見ると、ローションで濡らした手を後ろへと伸ばす。
上に跨ったままの俺は嵐ちゃんの手が入りやすいように腰を少し浮かせる。後ろを拡げている最中も、気まぐれにやってくる前への刺激にもう力が入らない。
早く入れて欲しくて目の前の首を甘噛みしたり、中に入った指をぎゅっと締め付けてアピールしてみる。なのに嵐ちゃんは笑うだけでなかなか後ろに入った指を抜いてくれない。それでも十分気持ちいいけど・・・。
「嵐ちゃん、入れて」
「前も後ろも入ってるだろ?」
そうだけど!わかっているくせに、態とらしく指を動かす嵐ちゃんを睨む。どうやら今日はちゃんと言わないと入れてくれないらしい。
「も、指じゃなくて、嵐ちゃんのこれ、で、気持ちよくして・・・?」
嵐ちゃんを見つめながら強請るように、チュッと軽くキスをする。俺の言葉を聞き終わった嵐ちゃんが軽く唇を舐め、いつものように口角を引き上げて笑う。
「可愛い」
「んんッ」
後ろから指が抜けるのと同時に頭を引き寄せられ、少し強引に唇が合わさる。キスに夢中になっている間に、指よりも熱くて太いものが後ろに押し付けられ、一番太い先端が入ったと思ったらそのまま勢いよく奥まで突かれた。
「ぁあっ!!ゃ、つょっ、んッ」
強過ぎる刺激にビクビクと震える背中を優しく撫でられる。今ので軽くイってしまった・・・。塞がれた俺のちんこからは勿論何も出ていないけど。
「ん、ふ・・・」
・・・イった直後なのに前を弄るのをやめて欲しい。基本的に自分が気持ち良くなるよりも、俺を気持ち良くさせて快感に蕩けているとこを見ていたいという嵐ちゃん。俺も気持ちいいのは好きだけど、ちょっとは休憩させてくれないかな。
「そろそろ動くぞ」
「ん、」
俺の返事を聞くと同時に腰を動かし始める。的確に俺の気持ちの良いポイントを刺激してくる嵐ちゃん。今日も俺は嵐ちゃんのテクニックによってどろどろに甘やかされる。
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