134 / 311
魅惑のおっぱい
「ティノーーーっ!!!」
「わんっわんっ」
あぁ可愛い。本当に可愛い。今日もパーフェクトな可愛さだね。
「レイラ〜荷物置いていくなよ〜」
「ほらレイラ、ティノも早く中入ろうよ」
朝一で騎麻と真斗と一緒に本家へと帰ってきた。門を開くと俺達を待ち構えていたティノが元気よく駆け寄ってくる。子犬だったティノは今では出会った頃の二倍近いサイズだ。それでも腕の中にすっぽり収まる小ささで、しきりに俺の顔を舐めながら尻尾を振る姿はたまらない。
「ただいま〜っ」
結局騎麻に自分の荷物を持たせたまま、ティノを抱えて本家の玄関をくぐる。
「あら、おかえり〜」
「早かったじゃない」
調度玄関を開けてすぐの所にいたカレンちゃんと玲弥ちゃん。二人の手には薄くて大きな箱が重ねていくつも持たれていて、箱には見慣れた"T.KRN"のロゴが描かれている。
「カレンちゃん久しぶり〜!」
「ふふ、ほんと運動会ぶりね」
荷物をお手伝いさんに渡したカレンちゃんと久々のハグをし、そのまま軽くチュッと口を合わせた。相変わらずカレンちゃんは可愛くて綺麗で最高。しかも抱き締めた時に当たる胸の感触もたまらない。天羽学園は男子校だから当たり前だけど、このなんとも言えない柔らかい感触は女の子が居ないと味わえない。カレンちゃんを母に持つ俺がおっぱい好きなのはぶっちゃけ必然だと思う。
「カレンちゃん今日一緒にお風呂入らない?」
「こら、このエロ餓鬼」
「いてっ」
カレンちゃんのおっぱいを揉みながら誘うといきなり頭に衝撃が走った。若干涙目で後ろを振り向くとそこには予想通りの人物が。
「十六弥くん痛い!!」
「うるせぇ。帰ってきて早々に母親の胸揉んでるマザコンが悪い」
せっかく久々のおっぱいに癒されていたのに十六弥くんのゲンコツで全て飛んでいった。足元で心配するようにティノがこちらを見上げているのが見える。いい子だなぁ〜。
「十六弥ったらレイラがカレンばっかに甘えるから妬いてるんでしょ〜」
「先月に熱出した時にもレイラから連絡が無いって拗ねてたわよね」
「うるせ」
そういえば十六弥くんは先月の文化祭の時、珍しく風邪を引いていたんだっけ?十六弥くんが体調を崩すこと自体が珍しすぎてすっかり忘れていた。謝罪の意も込めて十六弥くんにハグをしその口にキスをする。
「もう元気なの?」
「あんなん一日で治ったわ」
流石だ。俺なんて風邪を引いたら大体治るまで五日はかかるのに。
そのままみんなで連れ立ってリビングへと向かう。そこには麻紀くんとその子供で俺達の従兄弟にあたる、柚乃と和紗、愛紗の姿があった。
「柚乃、和紗愛紗久しぶりだな!」
「約一年ぶりね〜」
「「みんな久しぶり!」」
騎麻と同い年の柚乃はおっとりしていて可愛い。それに比べやんちゃな和紗と愛紗は、早速遊んで貰おうと真斗にへばりついている。一つしか違わないのに二人といると真斗はすごく大人に見える。
昼前にはカエラとサハラも到着する予定だし、買出しに行っている亜津弥くんと華南ちゃんはもうすぐ帰ってくるだろう。順調に身内がどんどん集まっていて、なんだかそれだけで楽しくなってくる。
「「隙あり!」」
「っっ!」
気を抜いていた所にやってきた強過ぎる刺激に声も出さずにその場に蹲る。
「〜っ、和紗、愛紗、!」
「レイラ隙だらけだぞ!」
「レイラちゃん相変わらず脇腹弱〜い!」
犯人は分かっていた。この悪戯大好きな双子しかいない。俺が脇腹が弱いのを知っていながら、思い切り掴んでくるのは。しかも掴む場所が的確過ぎて、余韻のようにジンジンと刺激が伝わってくる。
二つ年下のこの双子は本当に目を離すとすぐにこうだ。きっと真斗に遊び相手を断られてターゲットが俺に変わったんだろうけど、一人でこの二人を相手にすると流石に疲れるんだよな・・・。
「こら〜レイラちゃん達は移動で疲れてるんだから、二人で遊んでなさい」
「そうそう、久々に会って嬉しいのはわかるけど後にしな」
「柚乃、騎麻」
少し離れた所で話してた柚乃騎麻が助けに来てくれた。俺達従兄弟の中で最年長の二人はいつも周りをよく見ている。きっと今も俺一人では双子の相手はキツいと思い来てくれたのだろう。有難い。
実は今日の朝寝坊した俺は朝ご飯を食べ損ねて、ぶっちゃけお腹が空いて力が出ない。元々朝はあまり食べない派だけど、流石にお腹が空いてきた。先に何か食べようかと思ったけど、もう少しでみんなが揃うと聞いて我慢中の身。残念ながら双子の底知れない体力に付き合える自信は一ミリもないのだ。
ともだちにシェアしよう!