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常磐家大集合!スノボー旅行!
「さっっっむ!!!」
白、白、白。見渡す限り一面白!!
予定通り早朝に本家を出発した俺達は順調に目的地である、TOKIWAグループで新しくオープンするスキー場へと到着した。もちろんスキー場があるのは雪山で、視界に入る全てが雪に覆われている。
寒いのが苦手な俺からすると着いて早々に雪だるまを作り出した和紗と愛紗の行動についていけない。だってあいつら手袋すらしていないって、おかしすぎるでしょ。
「レイラ〜早く出てきなよ〜」
「もうちょっと待って!!」
スキー場に着いてからまずは荷物を置くために隣接された宿泊用のコテージに向かった。そこで荷物を置きそれぞれスノボーのウェアに着替える。
TOKIWAの化学班が今日に間に合わせて開発した、防寒に最高に優れた俺専用のスノボーウェアを着込みながら外にいるカエラ達に返事をする。俺と同じく日光には弱いカエラとサハラだけど、寒さは俺程苦手ではないらしい。羨ましい。
「お待たせ!」
「どう?新しいウェアの着心地は」
「いい感じ!寒いけど全然耐えれる!」
オープン前ではあるけど今日の視察のために、通常の運営が出来る位のスタッフが揃っている。俺達のためだけにクリスマスに働かせて悪い気もするけど、施設だけじゃなくスタッフの対応も確認するためには仕方ない。
「準備出来たのか」
「うふふ」
「ふ、ご機嫌だな」
そう。実は今俺はかなり機嫌が良い。久々の家族揃っての旅行も楽しいし、今回は嵐ちゃんも一緒で更に楽しい。でも、理由はそれだけじゃない。
「似合ってるな」
「嵐ちゃんが選んでくれたからね」
嵐ちゃんが伸びた髪を耳にかけるように掬いながらそっと左の耳に触れる。そこにはいつものシルバーのピアスでは無く、薄い紫色の石が嵌った、シンプルではあるけど存在感のあるピアスが。
俺の瞳と同じ色のそれは、今朝目を覚ますと枕元に置いてあった。勿論置いたのは今俺の横で優しく、かつ色気たっぷりに微笑んでいる嵐ちゃんだ。
すっかりプレゼントを用意し忘れた俺とは違い、嵐ちゃんはちゃんとクリスマスプレゼントを用意してくれていたのだ。嬉しくて貰ってすぐに付け替えたそれは、自分で言うのも何だけど、すごく似合っていると思う。流石俺の嵐ちゃんだ。
「本当ごめんね、俺からのプレゼント用意して無くて」
「別に。お前が喜んでる姿が見れただけで満足してるし、これも貰ったしな」
「俺のお古で悪いけど、一応世界に一つの一点物だから」
新しいピアスに変わって行き場を無くした俺のシルバーのピアスは、今は嵐ちゃんの左耳に輝いている。プレゼントの代わりに欲しいと言われたそれは、実は俺の手作りだったりする。イギリスに住んでいた頃に知り合ったアクセサリー職人に教えて貰いながら作ったものだ。
「それにーーー今夜は頑張ってくれるんだろ?」
「うふふ、期待してて」
昨日は寝てしまったけど、クリスマスは今日だ。ギリギリ用意出来たサンタのコスチュームもあるし、今夜は嵐ちゃんが満足するまで頑張ろうと思う。
「コースは初心者コースから上級者コース、あと超難関コースまである。まあ、お前らの身体能力なら問題ないと思うが、危ないことはするなよ、特に十六弥」
「俺かよ」
TOKIWAの中でも日本は亜津弥くんの担当だから、このスキー場も亜津弥くんの管轄になる。
「万が一怪我をしたら麻紀にすぐ言えよ」
「みんな俺の出番が無いように遊んでね〜」
確かに麻紀くんの出番は無いに越したことはない。むしろ俺的にはその麻紀くんが一番心配な気もするけど。だってこの人めっちゃ天然だし。運動神経はあるけど、おっちょこちょいなイメージがどうしても消えない。
「大丈夫大丈夫、俺昔っからよくスキー行ってて割りと得意だから」
「今から麻紀がやろうとしてるのはスノーボードだけどね」
本当、玲弥ちゃんの言う通りだ。まあスキーが出来ればスノボーもすぐにコツを掴めると思うけど。
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