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温もりを求めて

「カレンちゃんは〜?」 「女子会」 いつもは仕事中以外ほとんど十六弥くんとカレンちゃんは一緒にいる。だけどこうして本家に集まっている時はよく玲弥ちゃんや華南ちゃんと集まって女子会をしているみたい。 「一人で寂しい十六弥くんを俺が癒してあげる」 「よろしく頼むわ」 本当は俺が甘えたいだけだけど。引き締まった腹筋の辺りに抱き着く俺の頭を大きな手でゆるゆると撫でる十六弥くん。視線はまだ本に向いたままだけど不定期に頭や首筋、頬を擽ってくる手が気持ち良い。 冬は流石に寝る時も裸で寝るのは封印する俺とは違い一年中寝る時は上裸の十六弥くん。嵐ちゃんも同じく上裸で寝ている。確かに空調が効いているけど、やっぱり冬ってだけで寒い気がする。 何をするでもなくただ隣に人の体温があるだけですぐに眠さがやってきた。 「おやすみ」 「ん・・・」 遠くに十六弥くんの声が聞こえる。こうして十六弥くんと一緒に寝るのは久々だけど、そういえば俺は昔から十六弥くんの温かい体温と大きな手が好きなんだよな〜・・・。 (十六弥視点) 「やっぱりレイラ来てたのね」 「あぁ」 玲達との女子会を終えたカレンが部屋に戻ってきた。いつもはバッチリきめている見た目も寝るだけの今はすっぴんに緩く髪を纏めている。普段より更に若く見える顔でにこにこしながら、俺にぴったり引っ付いたまま眠るレイラの頬をつつく。 「久々にがっつり甘えられた気持ちはどう?」 「まあまあだな」 素直じゃないわね〜と笑うカレンに聞こえてないふりをする。実は今日、夜レイラが部屋に来ることは予想していた。本人はあまり自覚がないみたいだが、こいつ程の甘えたはなかなかいない。それがここ最近常に側にいて甘やかしまくっていた人間が居ないとなると、耐えれるはずがないというのが俺とカレンの考え。 カエラやサハラの所では無く、ここに来るのも予測済。なんてったってレイラはブラコンであり、ファザコンでマザコンだ。カエラやサハラの部屋に行っても大好きな兄のうち片方しかいない。が、ここに来れば俺もカレンもいる。そして昼間に兄二人と一緒に昼寝をしたので、次は俺達という謎の考えを持つのがうちの甘えたの末っ子の思考回路だ。 まあ、あれだ。アホ可愛い。 「今日は早かったな」 「旅行で疲れてたのもあるけど、レイラが来るのもわかってたからね」 いつもだったら喋り出すと止まらないため朝まで喋り倒すなんて事はざらにある。それなのに今日はまだ日付も変わる前に部屋に戻ってきた。 「俺が待っているからじゃないのか?」 「あら、十六弥も寂しかったの?」 「まあな」 ふふふと微笑むとそっと顔を寄せて唇を合わせてくる。触れるだけのキスをし離れていくカレンはとても妖艶で可愛く魅力的。流石俺の嫁。 だが今日は更に腰辺りに抱き着く可愛いのが一人。この歳で父親に抱き着いて寝るなんてなかなか珍しいこの生き物が、俺には可愛くて仕方ない。上二人も可愛いが、あいつらは兄としての意識が強いからかあまり甘えて来ない。ま、その姿も俺からしたら可愛い餓鬼でしかないんだが。 「今日は早めに寝るか」 「そうね」 普段ならまだ眠る時間では無いが、今日は俺もそれなりに疲れている。それにどうせぴったりと引っ付きたレイラのせいで身動きも取れないのだから。 肌触りの良いゆったりしたパジャマを身に着けた身長の割りに細すぎる身体を抱き上げ抱え直す。そのまま腕枕をするように腕を回してやると、心地いい場所を探ってもぞもぞと動く。すぐに落ち着く場所を見つけたのかまた静かな寝息が聞こえてきた。 「おやすみ」 (十六弥視点終了)

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