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TOKIWAの忘年会は楽しいぞ!
「みんなグラスは持ってるかー!」
『うぇーーーいっ!!!』
「今年もお疲れ!!今夜は飲むぞーーーっ!!!」
亜津弥くんの掛け声と共に会場内に一斉に乾杯の声が湧き上がる。日本は亜津弥くんの管轄だから、今年の忘年会の開会宣言も亜津弥くんの仕事。
「みんな大きくなったなー!」
「本当本当!前に会った時はこーんな小さかったのに!!」
「美男美女に成長しちゃって!」
始まって早々にTOKIWAの社員達に囲まれた。部下や上司といった上下関係を気にしない社風から、みんな久々に会った親戚のように声を掛けてくる。
「いや〜レイラちゃん本当に男の子だったんだなー・・・、ちょっと疑ってたんだよ」
「どういうこと!?」
様々な声を掛けられる中で聞き捨てらない発言が。そりゃ小さい頃の俺は女の子顔負けなくらい可愛かったけどね!十六弥くんより断然カレンちゃん似だし、カエラやサハラよりも小さいし細かったけど、ちゃんと男の子だからね!!
「わーお!!」
ざっと挨拶を済ませてからまず向かったのは目の前でシェフが調理して、そのまま熱々を出してくれる料理ゾーン。バイキング方式なので好きなものを好きなだけ食べられる。一昨日の体調不良から一転、俺の食欲は復活どころか増加した。
「ま〜た肉ばっか食って」
「めっちゃ美味いよ」
「知ってるけどさ」
いつもの如く肉料理で埋め尽くされた全体的に茶色いお皿を見た騎麻に強制的に野菜を追加される。俺も偏食だとは思うけど、向こうで料理すっ飛ばしてケーキに食いついてるカエラと柚乃はスルーなのね、うん。
「きーくん、野菜も食べるからあっちのシャトーブリアン食べに行こう」
「れーちゃん、とりあえずそのお皿の上食べきってからにしようね」
それもそうだと思い持っていたお皿の上の肉に食いつく。うまうま。
忘年会は大体この後酔っ払った大人達による隠し芸大会からのカラオケ、ボーナスをかけたゲーム大会と延々と朝まで続く。
俺は基本的夜中の2時には眠さのピークがくるから、もし朝まで起きていたとしても途中から記憶が曖昧。むしろ隅っこのソファで寝落ちしている可能性が高い。
一時間もしないうちに大分会場内の空気は出来上がってきた。ハイペースで酒を呑む大人達は勿論、その子供達も大人達の上がってきた空気感が伝わって盛り上がり始めている。そろそろ何か最初のイベントが始まりそうな予感。
「今年は何やるの?」
「実は今日のためにとっておきのモノマネ練習してきた」
「え、なにそれ面白そう(笑)」
何のモノマネかは教えてくれなかったけど、これは騎麻の出番を見逃さないようにしないと。無茶振り大好きな大人達に育てられた俺達は、毎年しっかり一発芸を仕込んでくることを覚えた。おかげで様々な特技を身につけられているけど、その習慣がなかった小さい頃は何度も痛い目を見た。
俺は今年もカエラとサハラとタックを組んでの芸を事前に練習済。ちなみに去年はジャグリングをした。初めは三つの小さいボールから始まり、テンションの上がった最後には十個のボールを使ってジャグリングしていた。気分は完全にサーカス団の一員だったな。
「おいレイラ」
「?どしたの十六弥くん」
「お前これ着て一発目いっとけ」
どうやら今年の初っ端は俺達みたい。それにしても何を着るのかな・・・・・・・・・まぢか。
「十六弥くんこれ、」
「拒否権ないからさっさと着替えて行ってこいよ」
ま じ か 。
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