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ようこそ常磐家へ
「らーんちゃーん!」
大晦日の今日は家が比較的ご近所さんな嵐ちゃん一家を常磐家にご招待して、一緒に年越しを予定している。
「すみません、こんな年末の忙しい時にお邪魔してしまって」
「誘ったのはこっちだから気にしなくていい」
はぁ~。四日ぶりの嵐ちゃんを補充。初めて常磐家に来た晴さん麻耶さん凛ちゃんは若干緊張気味?全然気にしなくていいのに。
「うわー!嵐ちゃんちのパパとお兄ちゃん嵐ちゃんとそっくり!!」
「むしろ嵐ちゃんがそっくり?」
同じく初めて嵐ちゃんの家族を見るカエラやサハラは興味津々で晴さん達を見ている。しかし、それはカエラ達を初めて見た晴さん達も同じで、
「レイラ君、本当に三つ子だったのね・・・」
「この顔が三人って、贅沢」
「生命の神秘だな」
ぶっちゃけ晴さん凛ちゃん嵐ちゃんの三人も、クローンじゃないかと思う程にはそっくりなんだけど。
今日はこの後一緒にご飯を食べて、日付けが変わると同時に初詣に行く予定。神社では要や凌達とも会う約束をしているので楽しみ。
「夜そんなに起きてられるのか?」
「今日は昼寝もばっちりだから余裕!」
そう、今日の俺は準備万端!昨日の忘年会も結局1時頃には脱落してしまったので、今日は昼寝をしっかりして寝溜めしておいた。
食事の準備が整ったので、挨拶もそこそこに早速ご飯を食べることに。さっきまで明日の準備のために居なかった騎麻達や他の家族も集まってなかなかの大所帯になった。常磐の三家に囲まれて最初は緊張気味だった結城家も、十六弥くん達にお酒をすすめられてほろ酔いになる頃には肩の力も抜けていた。
「なにここ天国~?可愛い子がいっぱいだ~」
「・・・兄貴、飲み過ぎだ」
肩の力どころか全身腑抜け状態の凛ちゃんが和紗愛紗、サハラと騎麻を周りに侍らせてデレデレしている。本当にデレデレ。嵐ちゃんに聞いた話だと、凛ちゃんは歳下に構うのが大好きらしい。
「凛ちゃん意外と酒弱い?」
「あれ?レイラ君がそっちにもいる~」
「そっちにいるのはサハラだよ」
だめだこりゃ。面白いけど。普段はどちらかというと余裕のある大人なお兄さんって感じなのに、酔っ払った凛ちゃんはふにゃふにゃで可愛い。十六弥くんも面白がってどんどんお酒を飲ませている。晴さんと麻耶さんは笑ってるけどいいのかな。いいのか。
その後も周りを歳下に囲まれて満足そうな凛ちゃんと、それを面白がる大人達を眺めながら楽しい食事は続いた。
「レイラ君もこっちおいで~」
「レイラ、絶対行くなよ」
俺を自分のハーレムに取り込もうとする凛ちゃんとそれを阻止する嵐ちゃんの二人に板挟み状態の俺。ちなみにその俺を盾にするように凛ちゃんから距離を取っている子が一人。
「真斗は避難中?」
「・・・兄貴以外に必要以上に構われるの、慣れてねぇ」
人見知りでは無いけど、比較的クールな性格をしている真斗からすると、初対面とも言える凛ちゃんのデレデレ攻撃は刺激が強すぎたみたい。それを思うと普段の騎麻のブラコン攻撃は大分受け入れているんだなぁ。騎麻、大好きな弟が助けを求めているぞ。面白がって凛ちゃんにちょっかいを出してないで真斗を守ってあげて。
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