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一番好きな温もり

「嵐ちゃん手加減無さすぎ」 腰痛い喉痛いついでに擦られすぎて後ろもちょっとヒリヒリする。明日から学校なのに。 「気持ち良かっただろ?」 「良かったけど!」 そりゃ良かったさ!最高だった!でも加減ってものがあるじゃんか~っ。嵐ちゃんに文句を言うとぽんぽんと頭を撫でられる。すると、なんだか痛みとかどうでも良い気持ちになってきた。撫でられるの好き。 嵐ちゃんはかなり機嫌が良いのか、いつもより甘い表情で俺の髪や頬を撫で続ける。ちょっと擽ったい。 あ~、でも今日は久々に嵐ちゃんと一緒に寝れる。 「嵐ちゃん実家で誰と寝てた?」 「いや、普通に一人で寝てたけど」 まあ、嵐ちゃんは一人が寂しくて寝れないとか言う性格じゃないけど。・・・俺は一人じゃ寝れなくなったのに。なんかちょっと悔しい。 「もう今日は嵐ちゃん俺の枕だから!!」 「どうした急に怒って・・・しかもそれいつも通りだし」 別に怒ってるわけじゃない。悔しいだけで!!嵐ちゃんは大人しく俺の枕になってればいいんだ。朝まで離してあげないし。腕が痺れたって知らないから。 さっきのエッチで体力が尽きてたこともあり、今すぐにでも寝れそう。宣言通り嵐ちゃんの腕を人質にとり、寝る体勢を整える。腕よりも肩の辺り、ほとんど胸元に近い所が厚みも硬さも丁度いい。もぞもぞと落ち着く位置を探し、身体をぴったりと寄せる。 (抱き着き心地は十六弥くんとサハラの間って感じかなぁ~・・・) すぐにやってきた睡魔の中でここ数日間お世話になった人達を思い出す。十六弥くんは厚みのある大人の身体って感じだし、サハラは細身なのにしっかりした筋肉がある。嵐ちゃんはそんな二人の丁度中間くらい。 そんな事を考えている間にもどんどん意識は遠のいていて、気付けば瞼は完全に閉じられていた。 「おやすみ」 「ん・・・」 密着した全身から伝わってくる温かさと緩く頭を撫で続ける掌が気持ちいい。やっぱり嵐ちゃんと寝るのが一番好きだなぁーー・・・ (嵐太郎視点) 『うちの弟くそ可愛い』 そうカエラからメールが届いたのはスノボー旅行から帰って数日後だった。弟大好きブラコンのカエラからのメールに、いつもの弟自慢メールかと思い内容を見る。するとその内容は、夜になると人肌を求めてレイラが兄の部屋や十六弥さん達の元を訪れるということだった。 ・・・高校生になって親や兄弟と一緒に寝るという感覚は俺にはちょっと理解出来ない。しかしそれを可愛いで済ませるのがあの一族であり、尚且つ俺自身もレイラが相手なら可愛いと思ってしまう。 それにしても、確かにこの半年程はほとんど毎日同じベッドで寝ていたが、まさか一人で寝れなくなっているとは知らなかった。どんだけ寂しがり屋なんだと呆れる反面、これからも一緒に寝てやらなくてはと思う自分に驚く。 いつから俺はこんなに甘々な人間になったのだろう。 「ん・・・」 いつの間にか布団がずれていたのか小さく声を漏らしたレイラが温かさを求めて更に密着してきた。しっかりと布団を掛け直してやると満足そうに身体の力が抜ける。 その姿に自然と頬が緩むのが分かる。俺も大概重症だ。 しかし、 「一緒に寝れたら俺じゃなくてもいいのかよ」 家族相手に嫉妬しても意味がないが、ちょっと面白くないと思ってしまったのは仕方ないだろう。 (嵐太郎視点修了)

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