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意外な犯人
「そんなことがあったのかよ」
「風紀として見逃せないな」
次の日の昼休みに嵐ちゃんから話を聞いたらしい騎麻とこのくんに呼び出された。二人共話の内容に若干しかめっ面になっている。
「レイラ、そのチョコ誰に貰ったんだ」
「ん~・・・それがいまいち覚えてないんだよね」
ぶっちゃけ昨日は一日中チョコをもらい続けていた。しかもくれた人の学年もバラバラだったし何人かでまとめて渡してきた人もいた。包装も似た感じのがいくつもあったし。あおちゃんがくれたピンクのファンシーな包みに入ったレオラビットのチョコは覚えているんだけど。
「昼休みくらいからはみんな自主的に直接紙袋に入れてってくれてたからな~ポスト投函的な?」
「全然手掛かりになんねぇじゃん」
って言われてもな~。覚えていないものは覚えていない。
いくら考えても答えは見つからず犯人探しは難攻不落。というよりもほとんど諦め気味になってきた。
「もう考えても無理だよ、手掛かりとかこの包みくらいしかないし・・・」
もう今回の事は来年への教訓だと思って諦めよう。ほら来年は、差出人不明はお断りとか、食べ物禁止とか。
昨日のことは、まあ・・・。ちょっとやり過ぎて尻が痛いとか、むしろイき過ぎて今もちんこに違和感があるとか。ぶっちゃけ普段通りと言えば普段通りと言えなくもない。
「お、レイラそのチョコもう食べたのか」
・・・・・・・・・え。
「絶対渡して感想聞いてきてとか言うから、もしかしてあいつ手作りとかだったか?腹壊してねぇ?」
え、ちょっと、ぇえ!?
「鴇このチョコ知ってるのか!?」
「のいちゃんこのチョコ誰からかわかるの!?」
生徒会室で話していた俺達の後ろで違う作業をしていたのいちゃんからの思わぬ爆弾投下。食い気味に詰め寄る騎麻と俺の勢いに若干引き気味になるのいちゃん。
「い、いやそれ、俺が昨日頼まれて渡した、
鷹からのチョコだろ?」
「!!!」
そういや、
『レイラ、鷹がどうしても渡して欲しいってチョコ持ってきたからこの袋の中突っ込んどくぞ』
『ありがとのいちゃ~ん』
お!も!い!だ!し!た!!昨日確かに貰ってる!でもあの時は知り合いだからって手作りとか特に何も確認しないで受け取ったんだ!!
うわ、あん時の俺めっちゃ呑気に『鷹は本当俺の事好きだな~』とか思いながら貰ったわ・・・。
「はぁ~・・・。まぢあいつ何考えてんだよ」
「とりあえず説教だな」
意外な急展開で犯人が判明した。本当あいつ何考えてんだよ。いや、多分ろくな事は考えてないんだろうけど。普通に考えて知り合いに媚薬入り(と思われる)のチョコ渡すか?渡さねぇだろ。
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