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美肌の秘訣
そんなこんなで二週間なんかあっという間。授業でのマラソン練習による適度な運動(俺的には過度な運動)からの9時間睡眠のおかげか、俺の肌はつるつるピカピカ毛穴知らずの美肌を手に入れた。めでたしめでたし。
「ってなってそれで終わってくれたら最高だったのに」
「むしろ本番は今からだからな」
そう、目的が若干ズレてはいたけど、本来の目的は今日のマラソン大会なのだ。結局この二週間で六回保健室のお世話になりつつ、どうにか10km完走することにも成功している。あとは今からの本番を無事に終えれれば全て万々歳。
「じゃあまたあとでな」
「無理はしないようにね!」
先に一年生がスタートし、遅れて二年生がスタートをする。走るペースが違うから要や凌と一緒だったのはスタート地点のグラウンドまで。まずはグラウンドを二周してから山に向かう。
そう、今日のコースは山の中。と言ってもある程度整備はされていて、途中途中には簡易的な給水スペースと救援の為に教師が待機している。大きく道を逸れない限りは迷うことはない安全なコースだ。
一学年約220人、それが一斉に走るんだからコース上は満員状態。色んな人から「頑張ろー!」や「無理するなよ」と声を掛けられる。俺が保健室に担ぎ込まれたのはみんな知っているという事ね。恥ずかしい。
初めはまだ余裕があったのでみんなの声にもしっかり返事をしていたけど、距離が進むにつれて俺にもまわりにも余裕が無くなっていく。
そして初めて山中コースを走ってみてわかったことが一つ。俺、意外と山道得意かもしれない。
「うわっ」
「!大丈夫か!?」
「石とかあって走りづらいな~」
「足元気をつけろよ!」
所々で上がる声にみんなが山の岩や凸凹した道に慣れていないのはすぐにわかった。まあ、普通に生活しているお金持ちのお坊ちゃん達には山って無縁なのかもね。学園自体は山の中にあるのに変なの。
で、俺もお金持ちのお坊ちゃんなんだけど、小さい時から十六弥くん達にアウトドアにしょっちゅう連れていかれてたから、山道なんてむしろ慣れている。そこら辺に散らばる石も飛び出た木の根っこも気にならない。
それどころかちょっとしたアスレチック感覚で普通にトラックを走るより楽しいかもしれない。だからと言って体力が削られていくのは変わらないけど。
「っはぁ、はぁ、、やっと6km、」
どうにかコースの半分を過ぎ6km地点まで到着。とりあえず給水スペースにあるスポーツドリンクと、糖分補給のためにチョコと飴を口に放り込む。本当は足を止めずにゆっくりでも走り続けた方が良いんだろうけど、俺にはこの糖分が大切なので仕方ない。
しかしこの二週間の成果だろうか。余裕は無いけど、まだ走れる。それにペースも悪くない。
さ、ぼちぼちまた走りますかね~
「レ、レイラ君!」
「?」
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