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※ おめでとう

休みをくれないまま、でもやっぱりゆっくりと中に入ってくる。 「ぁあっもぅ!でかい馬鹿!!」 「まさかのここで逆ギレかよ・・・」 ちょっと困ったように笑いながらよしよしと頭を撫でられる。慰めはいいからもうちょい嵐ちゃんのちんこを縮めて下さい。もう少し縮んでも十分過ぎるくらいなんだから。 「ばぁかぁ〜、ぁ、あぁっん、ふぁ」 大きくてゆっくりな挿入に快感が全身に広がるように痺れる。キスがしたくて目の前にある唇をぺろっと舐めるとすぐ、答えるように俺の唇が塞がれた。そのまま舌を吸われ、甘噛みされ、口内を優しく愛撫される。 肉体も涙腺もぐずぐずのまま甘やかされ続け、快感に蕩けた頭でゆるゆると腰を振る。いつもみたいに奥をがんがん責められている訳じゃないのに、中に入れられているだけの今でも気持ちが良すぎる。 「レイラ、気持ちいいな?」 「ん、きもちぃ・・・ぁ、ん」 結局最後までゆったりしたペースのままだったが、満足感はすごかった。もう本当に全身に力が入らないくらい。ま、それはいつもなんだけど。 「嵐ちゃん」 「ん?」 「誕生日おめでとう」 気付けばいつの間にか日付けが変わりデジタル時計の文字が4月4日を表していた。 春休みの最終日になり、本家から天羽学園へと戻ってきた。4月に入り学園の周辺を囲む森林も春を感じさせる草花で鮮やかになっている。 そんな中去年の新入生歓迎会の鬼ごっこの最中に発見した温室の中も、相変わらずの手入れの行き届いた姿を誇っていた。 「響ちゃーん、こっちの鉢も持っていくー?」 「うん、その鉢も綺麗に咲いているから持って行こうか」 この温室は普段は学園の管理人と、学園内の植物好きの生徒が協力して世話をしているらしい。その生徒の一人である響ちゃんと今、明日の入学式の飾りに使う花を選んでいる。 ここで育てた花達は普段の憩いの場としての役割もあるが、入学式や先月の卒業式などの式典の際には温室から出張して式の盛り上げ役となる。 「なんだか沢山の花に囲まれていると、まるでレイラ君は花の妖精みたいだね」 いつものふわふわ笑顔でそんなことを言われる。他の人に言われると何を言っているんだと言いたくなる台詞も、響ちゃんなら気にならない。むしろ響ちゃんこそ花が似合い過ぎだからね。 「こんなロックでシルバーアクセジャラジャラの妖精とか自然界に馴染まないだろ」 「ふふ、確かにね」 「いいじゃん好きなんだもん」 一緒に作業していたのいちゃんの的確なツッコミ。制服の時はピアスくらいしかしていないけど、日曜の今日はお気に入りの黒のクラッシュの入ったスキニーに黒のパーカー、そして嵐ちゃんに貰った指輪と、鴻來くん達にもらったバングル、お気に入りのネックレスなどシルバーをフル装備している。 どれもあまりごつく無いデザインだから重ね付けしててもシンプルでいいでしょ?お気に入りなのだ。 その後も他愛もない話をしながらしっかりと手は動かし、どうにか花を運び終えることが出来た。俺はのいちゃんと同じ重い鉢を動かすための力作業要員だったんだけど、大きな鉢を持ち上げる度に手伝いをしていた他の生徒から驚きの声が上がっていたのが気になる。どうせみんな俺を非力だと思っていたんだろう。ふざけんなよ。 「ありがとう。みんなのおかげで早く作業が終わったよ」 響ちゃんの癒しの微笑みに労われ、お手伝い組はにこにこして去っていく。今日も絶好調にマイナスイオンを放ちまくっているね。 「明日から真斗や鷹も高等部だね」 「鷹のやつ、浮かれて馬鹿なことしなきゃいいけど」 そう、明日には一つ下の二人が高等部に入学してくる。初等部からいるみんなからしたらよく知る面子かもしれないけど、俺は初めての入学式にちょっと浮かれている。 だって新たな一年生が入ってくるということは、当たり前だが俺は二年生になる。つまり俺は先輩になるのだ! 約一年天羽学園の高等部で過ごしたんだ。新入生よりも高等部のことなら知識があるはず。食堂のおすすめのメニューでも天気のいい日の日向ぼっこ場所のベスト3でも、なんなら理事長のお気に入りの茶葉だって知っているよ? 「休日に食堂で飯食って散歩したついでにまったり日向ぼっこして小腹満たしに理事長室に遊びに行く姿が想像出来たわ」 「のいちゃん正確」 部活もしてないし委員会などにも入ってない俺の休日は嵐ちゃんとイチャイチャしてるか、誰か見つけて遊ぶか、まったりだらだらするかの3択しかない。それ以外は本家に帰ってティノと戯れている。たまに騎麻に頼まれて生徒会の手伝いをする事もあるけど。 ぶっちゃけ初等部からいるみんなに俺が教えることとかあんま無いよね?俺より学生歴も長いわけだし。

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